産業資本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 06:28 UTC 版)
産業資本(さんぎょうしほん、industrial capital、ドイツ語: industrielles Kapital)とは、18世紀後半から19世紀前半にかけての産業革命の結果成立した資本主義的生産の基軸となる資本形態のことであり、主たる資産が産業設備である資本のこと、また、産業とくに工業を基盤とする営利企業のことをいう[1]。製造業や鉱業、物流業などにおける資本がそれにあたり、その流通過程より利潤を獲得する。産業資本は、近代に独自の資本形態である[2]。
注釈
出典
産業資本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 18:30 UTC 版)
「資本の循環」も参照 産業資本は以下のような資本に姿態変換(変態)し、生産過程で剰余価値を生み出し、価値増殖をしていく資本である。製造業などがこれに当たる。 貨幣資本 貨幣の形態を持った資本である。 生産資本 生産手段(工場施設など)かもしくは労働力などの形態を持った資本である。この資本において生産手段と労働力の結合によって生産過程が生み出され、剰余価値が発生する。 商品資本 生産過程を経て生み出された商品の形態を持った資本である。 この3種の資本は、まず貨幣資本にて工場や労働力といった生産資本を購入し、その手に入れた生産資本で商品を生産し、その商品を売却して貨幣を得るというように、貨幣資本から生産資本、生産資本から商品資本、そして商品資本から貨幣資本といった形で循環していく。このことを指して資本の循環と呼び、元の資本から循環が終わり再び元の資本形態に戻るまでのサイクルを資本の回転と呼ぶ。この循環は継続するプロセスであり、この過程で初期の投資が回収され、資本は増殖していく。 また生産過程において、価値が変わるか、変らないかによって二種類に規定される。 可変資本 労働力を購入するための資本である。 労働力は生産過程において、剰余価値を生み出すために、価値は可変であるとする。 不変資本 工場、原材料費、機械などの生産手段を購入するための資本である。 これらのものの生産に投じられた労働は、生産過程に入るその時点ではすでに、終了しておりしたがって、「死んだ労働」であるので、新たな価値を生み出さない。したがって価値は不変とされる。
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