現存する軍旗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 18:10 UTC 版)
歩兵第321連隊(1945年7月23日親授)では軍旗の喪失を惜しんだ連隊長・後藤四郎陸軍中佐の考えにより、旗竿のみを収めた奉安箱を奉焼。旗と竿頭はGHQ統治下を経て日本の主権回復に至るまで神道天行居という団体の施設に隠し通したため、これがほぼ完全な姿で現存する唯一の軍旗となっている。これは旗竿を復元したうえで靖国神社に奉納され、遊就館の特別陳列室に展示されている。 このほかにも一部の連隊では奉焼を経て残った破片や灰、もしくは奉燃を免れた一部が連隊将兵の手により持ち帰られている。歩兵第57連隊・歩兵第86連隊・歩兵第143連隊などの物は靖国神社に奉納され遊就館の第15展示室に、歩兵第39連隊では血染めの旗片を同連隊の慰霊碑内に納め更にその一部は姫路駐屯地史料館に、歩兵第63連隊の破片は出雲駐屯地資料室に、歩兵第70連隊では連隊長・石川粂吉陸軍大佐の「連隊長は軍旗とともにある」という信念により竿頭と房の一部および軍旗日誌を主権回復に至るまで保管、現在は丹波篠山市の戦没者慰霊施設(遺芳殿・遺芳館)に収蔵されている。歩兵第14連隊では奉焼式に参加した将校准士官以上および、各中隊の下士官・兵代表の全員に対し切り分けた房を配布、また一部の青年将校が埋没された竿頭の破片を掘り起こし保管している。
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