現代における史的考証とは? わかりやすく解説

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現代における史的考証

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 19:18 UTC 版)

チェルディッチ (ウェセックス王)」の記事における「現代における史的考証」の解説

しかし、アングロサクソン年代記初期の歴史著述矛盾しており、現代イギリス歴史学者デヴィット・ダンヴィル(en)は、チェルディッチの上陸が538年から554年の間である事を指摘している。また、チェルディッチバドン山の戦いBattle of Mons Badonnicus)でブリトン人敗北したサクソン人首長ではないか一部唱える者もいる。もし、前述ダンヴィル修正加えたようにチェルディッチの上陸した時期538年-554年であれば、この説は正しくないことになる。また、バドン山の戦い敗者チェルディッチではなく別のアングロサクソン首長(たとえばエレ)であると言う者もいる。 年代記の書伝えチェルディッチ行動地域にも疑問がある。彼の活動した地域サウザンプトン北部であったが、考古学的な見地からするとアングロサクソン人中心地はむしろ北部のドルチェスター・オン・テムズ(Dorchester-on-Thames、ここにウェセックス王国最初に司教区設置した)にあり、サウザンプトン近郊はむしろ7世紀前半新しく獲得した土地新たに司教区建てた地域であった。そして、古来父祖の地であったドルチェスター後年マーシア攻勢圧迫され放棄されるなど、ウェセックス起源当時伝承よりももっと複雑な経緯辿っていた。 また、興味深いことではあるが、「チェルディッチ(Cerdic)」という名前はゲルマン起源というよりもブリトン起源であることが指摘されている。これに対しては、彼がアングロサクソン人の父とブリトン人の母を持ち母方親族から名づけられたのではないかという説明づけがなされている。もしそうであるならば、彼の活躍した時期にはブリテン島において侵略者アングロサクソン人現地ブリトン人の間にある程度文化的人的な交流が既に存在していた可能性がある。 チェルディッチ伝説的な人物過ぎず実在証拠はないと主張する者も一部にはいるが、この説は全体から見れば少数意見である。しかし、チェルディッチ存在する史料9世紀後半後付されたものであったことも事実である。ウェセックス起源に関して伝承恐らくはその当時何かしらの形で存在していたであろうが、400年年月経った時点での伝承が正確であるとは考えにくい。

※この「現代における史的考証」の解説は、「チェルディッチ (ウェセックス王)」の解説の一部です。
「現代における史的考証」を含む「チェルディッチ (ウェセックス王)」の記事については、「チェルディッチ (ウェセックス王)」の概要を参照ください。

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