準マルコフ過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 09:48 UTC 版)
t ∈ [ T n , T n + 1 ) {\displaystyle t\in [T_{n},T_{n+1})} に対し Y t := X n {\displaystyle Y_{t}:=X_{n}} を満たす確率過程 Y t {\displaystyle Y_{t}} を定義する。これは準マルコフ過程 (semi-Markov process) と呼ばれる確率過程となる。MRP と準マルコフ過程の違いは、前者は状態と時刻の組で定義されるのに対し、後者は時間発展する実際の時系列の確率過程であり、実現値が任意の時刻における状態の値として定義される点である。 この確率過程は全体を見ればマルコフ性を持たない(すなわち無記憶性を持たない)が、ジャンプする瞬間に限りマルコフ性を持つ。これが準マルコフという名前の理論的根拠である。隠れ準マルコフモデル(英語版) も参照されたい。 (上に定義した)準マルコフ過程のうち、保持時間 (holding time) が指数分布で表されるものを連続時間マルコフ連鎖、または連続時間マルコフ過程 (continuous-time Markov chain/process; CTMC) と呼ぶ。言い換えると、到着間時間が指数分布に従い、かつある状態における待ち時間 (waiting time) と次に遷移する状態が独立であれば準マルコフ過程は CTMC となる。 Pr ( τ n + 1 ≤ t , X n + 1 = j ∣ ( X 0 , T 0 ) , … , ( X n , T n ) ) = Pr ( X n + 1 = j ∣ X n = i ) ( 1 − e − λ i t ) , ∀ n ≥ 1 , t ≥ 0 , i , j ∈ S {\displaystyle {\begin{aligned}&\Pr(\tau _{n+1}\leq t,X_{n+1}=j\mid (X_{0},T_{0}),\ldots ,(X_{n},T_{n}))\\&\quad =\Pr(X_{n+1}=j\mid X_{n}=i)(1-e^{-\lambda _{i}t}),\quad \forall n\geq 1,t\geq 0,i,j\in \mathrm {S} \end{aligned}}}
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