波欠けと山崩れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 02:26 UTC 版)
この角海浜では、波欠け(マクリダシ)と呼ばれる、この地域特有の、海岸の土砂を根こそぎ奪っていくという現象が数十年に一度の周期で発生してきた。波欠けは、極めて局地的で稀な、緩斜面である海底に何らかの理由で形成された瀬や窪みに因って生じた磯波と海水を沖へと押し出す循環流が急激に砂を移動させる海岸浸食現象である。この現象によって家屋等が倒壊し埋没してしまうことが度々起こった。更に、残った僅かな耕地も山崩れ(ヤマダシ)で狭められていき、ついにそのほとんどが失われてしまった。 1607年(慶長12年)においては、角海浜は約200mの海岸線長を有し、250戸の家屋や塩田が在ったようだが、1902年(明治35年)にはその家屋数は92戸まで減少していた。その頃には護岸工事が陳情されたが叶わず、これらの現象に因る被害は続き、1969年には角海浜の戸数は遂に一桁にまで落ち込んだ。 また、繰り返される波欠けで海岸線は現在までに嘗てのそれより600m以上も後退してしまった。
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