歩留まりと技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 15:57 UTC 版)
理想論から言えば、歩留まりは限りなく1に近い・または100%の方が良いのだが、不良品をゼロとすることは、現在の技術では純粋な素材や製品を製造することができないことや、または製造ラインの作業面における人的ミスや機械トラブルを完全に無くせないことから不可能である。 また、単純な工業製品では動作しないものを不良品とみなすことが一般的だが、所定のスペックを満たす場合には良品となり、それを満たさない場合には不良品とされるような、良品と不良品の境界が曖昧な工業製品では、検査や品質の基準を下げることによって歩留まりを上げることは可能である。 例えば液晶ディスプレイはドット落ちなどの関係で、一定数以上または目立つ個所の不良表示画素子がある製品を不良品とするが、この基準を「どの程度まで容認するか」によって歩留まりは大きく変化し、仮に不良画素を一切認めなかった場合には、液晶パネルの歩留まりは一般的に十分の一程度に下がるとも言われる。液晶ディスプレイの一般への低価格普及品クラス(ローエンド)の製品と、高価格なハイエンド品とで価格の桁が違う傾向が有るのは、後者に求められる品質が高いことから歩留まりが低下するためである。
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