教育社会学の研究領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 09:54 UTC 版)
教育社会学では、主に3つの主要研究領域がある。 「社会としての教育」。教育を一つの社会的な事実・活動・現象・体系・制度と考え、その社会構造・社会過程・社会関係・社会規範を研究する。たとえば、形式的・非形式的な社会集団としての学校や学級の実態、教授・学習過程の構造を分析することである。 「社会から教育へ」。教育に対する社会的規定条件の研究である。たとえば、政治・経済・マスコミ・地域社会など、各種の社会や集団が教育にいかなる影響を及ぼすかの研究。しかし、教育は社会から規定されるだけではなく、社会に対して各種の影響を与えている。 「教育から社会へ」。近年の、過度の受験競争、いじめ、不登校・引きこもり、少年犯罪、校内暴力・非行などの、教育の機能不全、葛藤現象も研究対象とされる。こうした教育問題(教育病理)は教育社会学の重要な研究対象であり、この分野は特に教育病理学と呼ばれる。 これからの課題として、第1に、計量的手法の精緻化とともに現象学的・解釈学的手法の開発、第2に従来不問にしてきた価値判断の問題、第3に教育実践への貢献、などがあげられる。
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