小標本の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 19:02 UTC 版)
小標本の場合、カイ二乗近似は過剰に敏感に働く。すなわち、実際には帰無仮説が正しくても、検定によって帰無仮説がしばしば棄却される。その上、p値の分布は単一分布から逸脱し右にひずんだ単峰の分布となる。特にp値が小さい場合は分布のひずみの影響が大きくなる。こうして、第一種の過誤率αが上昇する。下表にカイ二乗分布から近似したp値を示す。小標本の場合p値が真のαと異なるとわかる。 真のα値と標本サイズを変化させたときの近似p値との対応真のα値標本サイズ203050701000.10.307 0.252 0.201 0.183 0.1560 0.050.1461 0.109 0.079 0.067 0.062 0.0250.051 0.0303 0.020 0.016 0.0168 0.010.0064 0.0033 0.0015 0.0012 0.002 (これらの値はMATLABのモンテカルロシミュレーションから近似された値である。) MATLABでは、標本サイズが大きい(2000以上)ときのみJB統計量分布をカイ二乗で近似する。標本サイズが2000未満の場合MATLABはp値を補間するためにモンテカルロシミュレーションから得られた表を用いる。
※この「小標本の場合」の解説は、「ジャック–ベラ検定」の解説の一部です。
「小標本の場合」を含む「ジャック–ベラ検定」の記事については、「ジャック–ベラ検定」の概要を参照ください。
- 小標本の場合のページへのリンク