将官の人事制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:59 UTC 版)
「ハンモックナンバー」の記事における「将官の人事制度」の解説
将官に進級すると抜擢進級がなくなり(各人の先任・後任の順位が固定される)、予備役編入だけとなった。 例えば、先任順位が A・B・C・D・E・F の順である6人の大佐が同時に少将に進級し、中将進級時までにB・D・Eが予備役編入されてA・C・Fの3名の少将が現役に残ったとする。ここで海軍人事当局が「A・Fを中将に進級させる」と決定した場合、抜擢進級がないため、後任のF少将は先任のC少将を抜いて中将に進級できない。よってCを予備役編入し、A・Fを中将に進級させる、といった要領である。 少将から中将への進級についても、「先に大佐から少将に進級したグループの方が、中将に進級する率が高い」傾向があったが、大佐から少将への進級(既述)よりも、その傾向は弱かった。『海軍アドミラル軍制物語』を上梓した雨倉孝之は、中将進級については、より「将帥としての器」を備えているか否かが問われたからであろう、と評している。 大将への親任については、昭和期に大将となった32名について見ると、兵学校卒業席次が20%以内の「ハンモックナンバー上位者」が28名(87.5%)と大半を占める。しかし、そのうち、兵学校首席卒業者は6名(18.8%)、次席卒業者は7名(21.9%)で、雨倉孝之は、兵学校首席・次席卒業者で大将に親任された者はびっくりするほど多くはない、と評している。全国の秀才が集う兵学校で、激甚な競争を制して首席や次席で卒業するのは容易な業ではなく、卒業後に体に不調を来す者が割合多かった。また、ややもすると「将に将たる器」とは言い難い人物になってしまうこともあった。中将までは、クラスの先頭を切って進級しても、そこで予備役に入る者が少なくなかった。
※この「将官の人事制度」の解説は、「ハンモックナンバー」の解説の一部です。
「将官の人事制度」を含む「ハンモックナンバー」の記事については、「ハンモックナンバー」の概要を参照ください。
- 将官の人事制度のページへのリンク