宇宙ひもを利用したタイムマシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:39 UTC 版)
「タイムマシン」の記事における「宇宙ひもを利用したタイムマシン」の解説
リチャード・ゴットは宇宙の初期に作られた可能性のあるひも状のエネルギー体である宇宙ひもを2つ利用するタイムマシンの仮説を発表している。直線状に伸びた宇宙ひもの周囲は、その莫大な質量により空間が極端に歪みくさび状に切り取られたのと同じ効果が発生する。この空間を通過する場合、切り取られた分だけ空間が短くなっているために見かけ上光速を越えた運動が可能になるが、ゴットの仮説では、この性質に加えて宇宙ひもが運動している場合に起こる時間の遅延を利用している。(図2) 2つの宇宙ひも(X)、(Y)はそれぞれBC間、EF間の空間を切り取っているため、この空間を通過すると360゜以下で周回することが可能である。 (X)と(Y)が静止している場合、BC間、EF間の通過時間は0なのでBとC、EとFはそれぞれ同時刻である。 この仮説では(X)と(Y)がそれぞれAとD方向に運動していることを前提としているため、この空間を通過すると相対性理論により時間が遅延するが、通過時間は0であるため通過時刻が突入時刻の過去になる現象が起きる。 3:00にA地点を出発したロケットはBに4:00に到着する。移動する宇宙ひもで切り取られた空間を通過するため、Cでの時刻は1:00である。 D地点を経由しEに3:00に到着する。移動する宇宙ひもで切り取られた空間を通過するため、Fでの時刻は0:00である。 ロケットで周回しA地点へ戻ってくるが時刻は出発した時刻より前の1:00であり、過去への時間旅行が成立する。
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