在野研究に対する評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 05:51 UTC 版)
上述のように、学術分野において在野研究が一定の役割を果たしている側面もあるが、藤村新一による旧石器捏造事件や、高群逸枝の自説に都合の良い恣意的な文献解釈など、在野研究の信頼性を失わせる事例があり、在野研究は必ずしも評価されているわけではない。 論理学者の江口聡は「従来の考え方をまるっきりひっくりかえそうとするような主張を簡単に行なっているような本、難問を簡単に解きあかしてしまったりする本は要注意」「「専門家は頭が堅いからわからん」とか「従来の学問には隠された権力性がどうのこうの」とかやってるやつはたいていだめ」「従来の研究をしっかりとおさえていないまともな研究なんかありません」と述べている。 富山大学の大野圭介は、古代日本史の研究を例に取り、信憑性のない研究の特徴として「著者が雑誌に発表した論文がない」「著者がその分野について専門的に学んだ経験がない」「やたらセンセーショナルな文句が多い」「論調が攻撃的である」「引用文献がない」といったものを挙げ、「史料を読むための「技術」を習得しないまま、いきなり大それたことをしようとする」「大半のアマチュアは「プロが積んだ努力を軽蔑し、自分勝手なルールを振りかざす」から無視される」と指摘し、在野研究の多くが「研究ごっこ」に過ぎないと述べている。
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