器形、施文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/30 14:33 UTC 版)
称名寺式の器形は、わずかに浅鉢や碗がみられるものの、ほとんどが深鉢である。胴部から口縁部は開くが、口縁端部がやや内側にカーブし、胴部中央でゆるやかに屈曲する器形や、口縁部が対角線上に二対の突起をもち、胴部がゆるやかにくびれる器形がある。 文様は、器面を二段に分けて、たとえばJ字状に縄文が施される文様帯が繰り返すようなタイプと、器面全体を縦に縄文を施した文様帯が施されるものとがある。また、やや厚手で、沈線を二重に施文して太い沈線にしたせいか沈線内部に盛り上がった部分をもつタイプがある。後者は、西日本の中津式の影響があったとされ、O字モチーフをもつものが目立つ。称名寺式と加曾利E式の分布域が重複することからも、J字の文様帯は、加曾利EⅣ式のS字状の文様帯が変化、継承されたものと考えられている。器面を二段に区分するものも、器面全体に縦に文様帯をほどこすものも、縄文が施された文様帯と丁寧に磨かれた無文の部分とが交互に繰り返される形となっている。
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