双極性障害との鑑別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 07:53 UTC 版)
うつ病の診断においては、軽躁とうつを繰り返す双極II型障害を単極性・反復性と誤診するなど、双極性障害と見分けがつきにくいケースが多い。患者側も、睡眠時間が短くてもすんでしまうなど現代の過酷な社会環境にむしろ適応的であり、ばりばりと働けたなどの充実感などのため、軽躁状態を異常と認識せず、主治医に申告しないこともある。 WHOのガイドラインでは、大うつ病性障害など「うつ病として」受診に来た患者を診断する場合、躁病エピソードの既往症(軽躁エピソードは特に)を確認し、双極性障害でないかどうか明確に鑑別しておくことが重要であるとしている。これは、大うつ病性障害などの単極性の気分障害と双極性障害は、治療法が根本的に異なるためである。 また長期経過の中で、うつ状態に加え、躁状態も生じる場合にも、双極性障害の可能性がある。そのため、躁状態に転じることを常に注意し、素早く対応することが必要であるとも指摘されている。 とくに若年者は、双極性障害のうつ病相や統合失調症の好発年齢であり留意が必要である。 うつ病を繰り返し生じる場合には、反復性うつ病と呼ばれており、これも、遺伝研究などにより、躁うつ病と根本的には同一の障害であるとされている。一方、再発のないうつ病は、単一エピソードうつ病と呼ばれ、躁うつ病とは異なった障害であると考えられている。
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