南海11001系電車とは? わかりやすく解説

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南海11001系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 02:08 UTC 版)

南海11001系電車(なんかい11001けいでんしゃ)は、南海電気鉄道に在籍した優等列車用の電車


注釈

  1. ^ モハ11001形は機器構成上は1両で完結していたため、この様な運用も可能であった。
  2. ^ 端子電圧300V時定格出力75kW≒100PS。2基を永久直列で接続して使用した。
  3. ^ 電動カム軸式、停止・抑速用発電制動付。
  4. ^ このため奇数車と偶数車ではパンタグラフ位置が異なり、また機器配置も編成単位で見た場合に同位置となるよう、180°反転していた。
  5. ^ 南海での社内呼称。住友側での呼称は100の位に平行カルダン用を示す“3”が挿入されるため、FS319となる。
  6. ^ この国鉄101系も中空軸平行カルダン方式を採用している。なお、国鉄では101系開発前にキハ44000系で直角カルダンを導入しているが故障や不具合が多く、国鉄では電気式気動車そのものの増備が見送られ、キハ44000系自体も後に液体式に改造された。
  7. ^ 既存のモハ2001形では150kW級電動機が標準採用されており、2001形のMT比1:1の編成を置き換えるには、単純計算でも75kW級電動機を編成全車に搭載する必要があった。さらに大阪・和歌山の府県境には孝子峠の22.5‰連続勾配があり、勾配区間での速度低下を防ぐという観点からも、カルダン駆動式の大出力電動機がまだない時代は全電動車とせざるを得なかったという事情もあった。因みに南海においてカルダン駆動式の大出力電動機を採用したのは1962年に製造された6000系以降である。
  8. ^ 端子電圧600V時定格出力150kW≒200PS。
  9. ^ ただし、車番はそれぞれの竣工時期の関係でばらばらになっており、後に再編を行って通し番号となるように組み直された。
  10. ^ カッコ内は竣工時点での車番[5]
  11. ^ 戦前の阪和電鉄時代の旧株主・経営陣を中心に阪和線の民間復帰・払い下げ運動や再興運動などが当時行われており、国鉄当局がこれらの不満を放置した場合、これらの運動が激化する恐れがあった。
  12. ^ 一般に国鉄では、特に電車の場合「〜線電化開業用」などという名目で予算を確保しても、その予算枠で新製された車両が名目上の投入線区に直接配置されることはほぼ皆無で、原則的には名目とは無関係の首都圏などへ新車を配置し、そこからの捻出車を順次転配して最終的に老朽車が当該線区へ投入される、というパターンを1970年代後半まで定石としていた。その意味では、1950年代後半時点での買収線区である阪和線への最新型新製車の直接配置は、極めて異例の出来事であった。
  13. ^ 当初はモハ12001・12002・クハ12801・12802の順でサハ11801形11801〜11804とされたが、その後、旧モハ12001・クハ12801・モハ12002・クハ12802の順にサハ11801形11801〜11804として、奇数車と偶数車で仕様が揃うように改番された。
  14. ^ 吊り掛け電動機用として910mm径の車輪を使用するFS18はそのままではカルダン駆動台車に改造不能であり、モハ11100形相当の仕様とするには電装品だけではなく台車まで新規製作しなくてはならず、これは昇圧準備や1967〜1968年に発生した重大事故の補償等で厳しい財政状況となっていた当時の南海には実現困難であった。そればかりか、昇圧直前には乗客数の激増で5両編成でさえ輸送力不足となり、貫通路を備えるモハ11001〜11008を1両単位で残る5両編成に挿入して6両編成化するなどの対応も実施されている。
  15. ^ 昇圧・冷房改造の対象を全車ではなく一部の車両のみとしたのは、当時の南海は1967年から1968年にかけて次々に発生した重大事故の被害者に対する損害賠償に追われており、全車を昇圧・冷房改造するほどの経済的余裕が当時の南海にはなかったことも原因である。
  16. ^ 部品取り車1両を含む。
  17. ^ 譲渡後はクロスシート装備の優れた車内設備で、京福福井支社の看板電車として長く重用された。しかしながら、2002年の京福からえちぜん鉄道への経営譲渡に際しては、全車一旦えちぜん鉄道に引き継がれたものの、製造後45年以上が経過していて老朽化が著しかったことから一度も運用に入らないまま全車廃車・形式消滅となった。最終的には、南海に残って1000系に改造された車両よりも、京福に譲渡された車両の方が寿命が15年も長かったという結果になった。
  18. ^ 端子電圧375V時定格出力145kW。また、昇圧前は端子電圧300V時定格出力115kW。
  19. ^ 特急「四国号」の座席指定車両のうち、半数近くの座席(中間車の場合68席中32席)が車端部のロングシート部分に割り当てられており、そのような席でも指定席料金を徴収していた。
  20. ^ 除籍は1985年に実施。
  21. ^ 1003号車の車体はその後、泉佐野市内で堆肥倉庫として使用されていたが、火災による焼損で使用不能となり、解体された。また、1903号車の車体も泉佐野市内の民間業者に一旦保有されていたが、車体を二つに分断した上で廃材置場として使用された後に解体された。本来の目的である焼肉屋店舗としての再利用の計画が破綻してしまったためである。
  22. ^ 鉄道車両における系列という概念自体、日本では戦後、鉄道愛好者によってグループ分けのために便宜的に考案されたものであり、それ以前には存在しないものであった。事実、戦前の南海鉄道時代には「〜系」という呼称は一切用いておらず、社内では「貫通」あるいは「旧貫通」の呼称でそれらを識別していたという。なお、昇圧後の南海では公式に系列概念を採用すると共に、系列名について下一桁を0で取り扱っており、本系列についてもこれが適用されたものであった。

出典

  1. ^ a b 藤井信夫『車両発達史シリーズ 6 南海電気鉄道 下巻』関西鉄道研究会、1998年12月、36-37頁。 
  2. ^ a b 吉川寛・藤井信夫「私鉄車両めぐり(73) 南海電気鉄道 鉄道線電車 (終)」『鉄道ピクトリアル』1968年2月号、電気車研究会、1968年、65頁。 
  3. ^ a b 吉川寛・藤井信夫「私鉄車両めぐり(73) 南海電気鉄道 鉄道線電車 (終)」『鉄道ピクトリアル』1968年2月号、電気車研究会、1968年、66頁。 
  4. ^ 『日本民営鉄道車両形式図集〔上編〕』鉄道図書刊行会、1977年7月15日、819頁。 
  5. ^ 藤井信夫『車両発達史シリーズ 6 南海電気鉄道 下巻』関西鉄道研究会、1998年12月、38頁。 
  6. ^ 藤井信夫『車両発達史シリーズ 6 南海電気鉄道 下巻』関西鉄道研究会、1998年12月、96頁。 
  7. ^ 藤井信夫『車両発達史シリーズ 6 南海電気鉄道 下巻』関西鉄道研究会、1998年12月、97頁。 
  8. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第11号、鉄道ジャーナル社、1987年9月、124頁。 


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