円周率は3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 04:20 UTC 版)
円周率は3(えんしゅうりつは3)は、「2002年度実施の小学校学習指導要領の改訂に伴って、日本の算数教育にてそれまで3.14と教えていた円周率の近似値を3[注釈 1]と教えることになった」という内容が世間に広まった事象である。実際にはこれは事実ではなく、改訂後も円周率の近似値は3.14で教えている。
注釈
- ^ 「円周率3」[1][2]や円周率「およそ3」[3][4]というフレーズの場合もある。
- ^ 歯止め規定が小数の計算全般に及ぶものとして、その場合は「(円の面積を指導・学習する際に)円周率としては3.14を用いる」という文言との間に衝突が生じる。同一の領域に複数の規定が置かれている場合、特別規定の死文化を防ぐために、より限定された規定を優先するのが通例である。(一般法・特別法)
- ^ 円周率の値(誤差論の用語で「真値」)は3.14というわけではない。3よりは3.14の方が、3.14よりは3.1416の方がより正確(有効数字が 1, 3, 5 桁と、順に伸びている)であるが、いずれにしても概数である。
- ^ テレビのお笑い番組「ピカルの定理」(フジテレビ系列)では「のびのび戦士 ユトリンジャー」というコントが放送され、「円周率は3でOK」が決め台詞のユトリブルーというキャラがいた[45]。
- ^ Z会による“東大数学へのアプローチ” (PDF). p. 7. 2014年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月25日閲覧。においても、東大理系の入試問題の性質を説明するためにこの問題が紹介されている。
出典
- ^ a b c 曽我昇平「円周率「3」の子どもたち」『数学セミナー』第40巻第1号、東京 : 日本評論社、2001年1月、23-27頁、CRID 1523951029891203968、ISSN 03864960、国立国会図書館書誌ID:5593424。
- ^ a b c 細野真宏 「円周率3」時代の勉強法『文芸春秋』第79巻、第3号、2001年3月、156-160頁。
- ^ a b c d e f g 朝日新聞 2012.
- ^ a b c 山下純一 入試問題からの旅立ち/円周率は「およそ3」『理系への数学』第34巻、第7号、2001年7月、81-85頁。
- ^ 関沢正躬 2000, pp. 8–9.
- ^ 黒木哲徳 2001, p. 25.
- ^ 大西俊弘 2002, p. 18.
- ^ 関沢正躬 2000, p. 9.
- ^ 大西俊弘 2002, p. 14.
- ^ a b c d e f g h i 木村寛治 2004, p. 138.
- ^ a b 神永正博 2008.
- ^ a b c d 池上彰 2013.
- ^ a b “「総合学習」進化する塾”. msn産経ニュース. オリジナルの2008年3月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c 木村寛治 2004.
- ^ a b 円周率はちゃんと「3.14」と教えろ『週刊新潮』第46巻第16号、2001年4月、48-49頁。
- ^ a b 新学習指導要領で 「円周率は3」「必須英単語は100個」日本の生徒がバカになる!?『週刊文春』第42巻第9号、2000年3月、35-37頁。
- ^ a b それでも聞きたい「円周率」はやっぱり「3」で教える?『週刊朝日』第106巻第21号、2001年5月、182-183頁。
- ^ a b 緊急特集 円周率=3の教育システムは、吉と出るか凶と出るか 「ゆとり教育」開始!わが子はどうなる『プレジデント』第40巻第7号、2002年4月、133-142頁。
- ^ a b 3年B組金八先生第5シリーズ(1999年10月14日 - 2000年3月30日)
- ^ a b 西尾維新『クビキリサイクル』〈戯言シリーズ〉2002年2月。
- ^ a b 「ゆとりちゃん」主題歌『ゆとりのゆとり』(フルバージョンの1:34~39)、作詞:yozuca*、2010年4月21日リリース、レーベル:Lantis (LACM-4716)。ゆとりのゆとり - 歌ネット
- ^ 伝習舘高校事件・最高裁判所第一小法廷判決・平成2年1月18日『民集』第44巻第1号、1頁。
- ^ “歯止め規定”. 西日本新聞. (2003年10月7日). オリジナルの2009年2月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Q「円周率は3」で教えていると聞きましたが、本当ですか。”. 文部科学省. 2014年2月26日閲覧。
- ^ 関沢正躬 2000.
- ^ 黒木哲徳 2001, pp. 25–26.
- ^ 鴨志田英樹「ロボットを通した実学 : 教育とロボットの融合」『日本ロボット学会誌』第25巻第1号、日本ロボット学会、2007年、57-59頁、CRID 1390001204728075904、doi:10.7210/jrsj.25.57、ISSN 02891824。
- ^ a b 大西俊弘 2002.
- ^ 黒木哲徳 2001, pp. 24–25.
- ^ a b c 原田昭治 大学が目指す及び企業が求める技術者教育地殻変動する教育環境と今後の産学連携『工学教育』第51巻第3号、2003年、9-17頁。
- ^ 西村宏太「小学校算数科教育における計算指導 : 電卓の利用のあり方」『鳥取大学数学教育研究』第7巻、鳥取大学数学教育学研究室、2005年4月、08頁、CRID 1050578304504614528、ISSN 18816134。
- ^ “新しい学習指導要領のねらいの実現に向けて”. 文部科学省. 2021年8月17日閲覧。
- ^ 本田由紀 90年代におけるカリキュラムと学力『教育社会学研究』第70巻、2002年、105-123頁。
- ^ a b “ゆとり教育貫いた有馬朗人さん 怖い目をした2つの話題”. 朝日新聞 (2020年12月7日). 2022年7月9日閲覧。
- ^ 文部科学事務次官 御手洗康. “小学校、中学校、高等学校等の学習指導要領の一部改正等について(通知)15文科初第923号 平成15年12月26日”. 文部科学省. 2014年3月1日閲覧。
- ^ 板谷裕子 医学教育概説 教育評価とその運用『岡山医学会雑誌』2004年、116巻1号、pp.29-38,doi:10.4044/joma1947.116.1_29。
- ^ 初等中等教育局教科書課. “新学習指導要領における、いわゆる「はどめ規定」について”. 文部科学省. 2014年2月26日閲覧。
- ^ 鵜澤武俊、文有彬「環境教育に有用な電気泳動を用いたDNA検出法の開発」、『環境技術』第43巻第5号、2014年、286-292頁、doi:10.5956/jriet.43.286。
- ^ 学習指導要領 2009.
- ^ 霍見芳浩、高田博和 インタビュー『経営行動科学』第18巻第2号、2005年、157-174頁、doi:10.5651/jaas.18.157。
- ^ 神永正博 2008, pp. 19–20.
- ^ a b c 藤原正彦『祖国とは国語』新潮社〈新潮文庫〉、2005年12月、55-56頁、ISBN 978-4101248080。
- ^ 大西俊弘 2002, p. 26.
- ^ 熊谷正朗「「円周率は3 」と有効数字」『プラントエンジニア』第45巻第9号、日本プラントメンテナンス協会、2013年9月、74-75頁、CRID 1050282812550288000、ISSN 02890178。
- ^ a b ミスターゆとり教育の反論 元文部官僚・寺脇研さん 朝日新聞デジタル(2012年4月8日)2017年3月25日閲覧。
- ^ 早田幸政 編集、清成忠男 監修、金沢大学大学教育開発支援センター 企画 国立大学法人化の衝撃と私大の挑戦 エイデル研究所、2005年3月、249頁、ISBN 978-4871683845。
- ^ 安田亨『入試数学 伝説の良問100 ―良い問題で良い解法を学ぶ―』講談社〈ブルーバックス〉2003年4月、ISBN 978-4062574075。
- ^ 京極一樹『東大入試問題で数学的思考を磨く本』アーク出版、2013年8月、12頁、ISBN 978-4-86059-130-4。
- ^ 三田紀房『ドラゴン桜』第10巻、講談社、2005年9月、ISBN 978-4063724660。
- ^ “あなたにも解ける東大数学入試問題 1.1 円周率とは何か”. 京極一樹の東大数学. 京極一樹の数学塾. 2015年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月23日閲覧。
- 1 円周率は3とは
- 2 円周率は3の概要
- 3 概要
- 4 脚注
- 5 外部リンク
- 円周率は3のページへのリンク