代替定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/29 09:12 UTC 版)
Durrantは、Atoms in molecules(英語版)理論から得られる原子電荷マップの解析に基づいて、超原子価の代替定義を提唱している。この方法は、「観測される電荷分布を再現する妥当なイオン性および共有結合性共鳴構造の任意の組合せによって得られる、任意の原子での形式共有電子数」として原子価電子当量(γ)と呼ばれるパラメーターを定義する。特定の原子Xについて、γ(X) の値が8よりも大きければ、その原子は超原子価である。この代替定義を用いると、Musherの定義では超原子価である PCl5、SO42−、XeF4といった多くの化学種は、中心原子から電子を引き抜く強いイオン結合のために、超原子価ではなく超配位に最分類される。一方で、オクテット則を満足させるためにイオン結合で通常は書かれていたオゾン O3、亜酸化窒素NNO、トリメチルアミン-N-オキシド (CH3)3NOといった一部の化合物は、正真正銘超原子価であることが分かる。リン酸イオンPO43−(γ(P) = 2.6、非超原子価)およびオルト硝酸イオン(英語版)NO43−(γ(N) = 8.5、超原子価)についてのγの計算の例を以下に示す。
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