他の海上護衛への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 22:34 UTC 版)
松輸送の実施は、日本の海上輸送護衛全般に対しても良い影響を与えた。 重要作戦輸送ということで軍令部が多大な便宜を図り、連合艦隊もこれまでになく積極的な協力を行ったため、海上護衛総司令部は兵器や人材を充実することができた。海上護衛総司令部参謀だった大井篤によれば、その波及効果があってこそ、ヒ船団などの南方資源航路での大船団主義も軌道に乗せることができたという。松輸送用に創設された特設護衛船団司令部の制度は、常設の参謀や直属兵力を持たず部隊としての連帯が醸成しにくい欠点はあったものの、その後のヒ船団などでの大船団指揮へも流用されることになった。 松輸送では連合艦隊からの応援要員も含め多数の幕僚が護衛の現場を体験した。そこで、作戦終了からすぐの6月12日に、軍令部第12課(防備・通商保護担当)主催により、東松船団を中心に重要護送船団の運航に携わった幕僚を集めた報告会が実施された。日本海軍が護衛船団幕僚を集めたこの種の研究会を実施するのは史上初めてで、報告された貴重な体験資料は『護衛船団幕僚体験談摘録』として編集され、関係各方面に配布された。
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