予測と同定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/22 08:30 UTC 版)
シュードノットの構造形態は、コンテクスト依存性や塩基対形成領域の重複のため、計算生物学的手法による検出には適していない。シュードノット中の塩基対形成パターンは入れ子状になっておらず、このことが標準的な動的計画法によるRNA配列中のシュードノットの存在予測をより困難なものにしている。動的計画法では塩基対形成したステムを同定するために再帰的なスコアリングシステムが用いられるため、入れ子状になっていない塩基対はほとんど検出することができない。確率文脈自由文法といった新たな手法もシュードノットを同様の問題を抱えている。そのため、MfoldやPfoldといったよく用いられる二次構造予測手法ではクエリ配列中に存在するシュードノット構造を予測することはできず、2つのステムのうちより安定なものだけが同定される。 動的計画法を用いて限られたクラスのシュードノットを同定することは可能であるが、これらの手法は網羅的ではなく、シュードノットを考慮しないアルゴリズムよりも配列長に応じた計算規模の増大が著しい。シュードノットを含む最小自由エネルギー構造の予測はNP完全問題であることが示されている。
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