三幕目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 07:24 UTC 版)
「塩原多助一代記 (歌舞伎)」の記事における「三幕目」の解説
(塩原宅馬部屋の場)塩原家の馬部屋の近くに、魚屋が来て干物を卸している。きょうこの家に婚礼があってその用意のためであったが、それはお亀たちが、多助が家出して行方を絶ったのをよいことに、お栄と丹三郎の祝言をすることにしたのである。そんな仕儀に忠義者の下男の五八は憤っていた。馬部屋にはあのあおが戻されて入れられている。 (同 奥座敷婚礼の場)塩原家の奥座敷ではお亀や丹次、名主惣右衛門も同席する前で、お栄と丹三郎がいましも祝言の盃をかわそうとしていた。そこへ太左衛門が乗り込み、多助の行方をよく詮索しようともせず、分家の自分に断りもないこの祝言は承知できないと抗議する。お亀と丹次がなだめようとするも、太左衛門は聞く耳を持たない。やがて争ううちに、表からけたたましく太鼓や竹法螺の音が聞えてきた。これは日ごろからお亀たちのことを憎む村人たちが、塩原の家からたたき出そうと攻め寄せてくる合図であった。お亀たちは驚いてその場を立ち退こうとする。 (元の馬部屋の場)逃げようとする丹三郎お栄を五八が捕まえようとするが、丹三郎が刀を抜いたので五八は厩の中に逃げ込む。それを追って斬りつけようとするはずみに、あおをつないでいた手綱が切れるとあおは暴れだし、なんと丹三郎とお栄を噛み殺した。逃げようとする丹次とお亀は丹三郎とお栄の死骸を見てびっくりするが、そこへあおがなおも丹次たちに襲い掛かろうとするので丹次はあおを斬り殺し、家に火をつけてお亀とともにその場を逃れるのだった。
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