ベンツ (ニホンザル)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ベンツ (ニホンザル)の意味・解説 

ベンツ (ニホンザル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 21:34 UTC 版)

ベンツ(2013年8月撮影)

ベンツは、大分県大分市高崎山高崎山自然動物園ニホンザルで、B群の第9代αオス(ボス猿)、C群の第9代αオス。

生涯

2つの群でαオスに

1987年に最年少の推定9歳で当時A - C群の3つあった群れのうちのB群のαオスとなった。しかし、1990年2月、C群の雌ザルを追い回して自分の群れを離れ、αオスの座を追われることになった。

C群に移ったベンツは、最下位から徐々に地位を向上して、2000年にはナンバー2となった。2001年から2002年にかけては、最大の群れであったA群との抗争の中心となり、争いに敗れたA群はサル寄せ場に姿を見せなくなった[1][2]2011年2月には、在任期間が歴代最長であったゾロの後を継いで、C群の第9代αオスに就任した。異なる2つの群でαオスになったのは、高崎山では初めてのことである。就任時の年齢は推定33歳で、これは人間に換算すると100歳以上にあたる[3][4]

失踪と復権

2013年9月14日から行方不明となっていたが、同年10月1日、園から約6km東の大分市内の市街地で発見され、保護された[5]。高齢で長期間群れを離れていたため、αオスとして復帰できるか不安視されたが、10月5日にαオスとして受け入れられたことが確認された[6]。ベンツの復帰が話題となったため、高崎山自然動物園の10月の入場者は例年の約1.4倍に増加し、大分市の試算ではその宣伝効果は8億2千万円を上回るとされた[7]

一度は復帰したベンツであったが、2013年12月16日に目撃されたのを最後に、再び行方不明となった。同年12月23日以降、数度にわたり捜索が行われたが発見されず[8]、αオスが行方不明となってから1ヶ月が経過すると死んだとみなすという園の慣例に従い、2014年1月17日、死亡と認定したと発表された[9]2月2日にC群第2位だったゾロメがαオスに認定され、就任式が行われた[10]

名誉ボス

2023年に行われた「回顧高崎山70! 高崎山を彩った心に残るサル部門」では有効投票数の半分を超える253票を集めて1位を獲得し、二つの群れの両方でボスとなった唯一のサルとして、園から「名誉ボス」の称号を贈られた[11]

名前

貫禄のある態度から、高級車であるメルセデス・ベンツに因んで「ベンツ」と名付けられた[12]。名前が「ベンツ」であることから、C群のαオスへの就任式の際にはメルセデス・ベンツを扱う大分ヤナセからミニカーとバナナが贈られた[3]。また、2011年11月3日には、オットー・F・ベンツルフトハンザドイツ航空日本支社長が、同名のよしみから、ベンツに会うために高崎山を訪れている。この際にも大分ヤナセの協力で、メルセデス・ベンツに乗って来園した[13][14]

脚注

  1. ^ 伝説のボスザル「ベンツ」失踪、捜索続く 大分・高崎山 朝日新聞、2013年9月26日
  2. ^ 【大分】高崎山のボス 人間なら100歳 「ベンツ伝説」まだまだ続く 失踪、復帰-常識超えた!? “腹心"との絆固く 西日本新聞、2012年11月27日
  3. ^ a b 高崎山C群リーダー就任 “ベンツ"再発進 大分合同新聞、2011年2月9日
  4. ^ 高崎山「ベンツ」 ボスに返り咲き 二つの群れ制覇は初めて / 九州どうぶつランド 西日本新聞、2011年2月12日
  5. ^ “最高齢サル 大分市内で保護”. NHK. (2013年10月1日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131001/k10014956281000.html 2013年10月2日閲覧。 
  6. ^ ベンツ奇跡の“復権” 高崎山自然動物園 大分合同新聞、2013年10月5日
  7. ^ “ベンツ復帰の宣伝効果は8億円超 高崎山”. 大分合同新聞. (2013年11月1日). http://www.oita-press.co.jp/localNews/2013_13832690209.html 2013年11月2日閲覧。 
  8. ^ “高崎山“伝説”のボスザル、二度目の行方不明”. 読売新聞. (2013年12月24日). http://www.yomiuri.co.jp/otona/news/20131224-OYT8T00427.htm 2012年12月29日閲覧。 
  9. ^ “ボスザル「ベンツ」死ぬ=失踪後に復権し人気再燃―大分・高崎山”. 時事通信. (2014年1月17日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201401/2014011700662&g=soc 2014年1月17日閲覧。 
  10. ^ “姿消し1か月、雄ザル・ベンツに「死亡」宣告”. 読売新聞. (2014年1月17日). http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140117-OYT1T00979.htm 2014年1月17日閲覧。 
  11. ^ 高崎山愛され70年、個性的なサル魅力」『読売新聞』、2023年3月30日。2023年6月19日閲覧。
  12. ^ 「ベンツ」同士、高崎山でご対面 読売新聞、2011年11月4日
  13. ^ ルフトハンザドイツ航空会社・日本支社長ベンツ氏が高崎山自然動物園を訪問します 大分市、2011年11月1日
  14. ^ 人・サル、ベンツ会談 車はもちろん… 大分・高崎山 asahi.com(朝日新聞社)、2011年11月4日

「ベンツ (ニホンザル)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ベンツ (ニホンザル)」の関連用語

ベンツ (ニホンザル)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ベンツ (ニホンザル)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのベンツ (ニホンザル) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS