フネガイ科とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > フネガイ科の意味・解説 

フネガイ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 21:52 UTC 版)

フネガイ科
Arcidae
鮮新世のアカガイ属の一種(キプロス産)
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 二枚貝綱 Bivalvia
亜綱 : 異歯亜綱 Heterodonta
: フネガイ目 Arcida
上科 : フネガイ上科 Arcoidea
: フネガイ科 Arcidae
学名
Arcidae Lamarck1809
和名
フネガイ科
英名
ark clams

フネガイ科(フネガイか、学名: Familia Arcidae)は、フネガイ目に属する二枚貝の科の一つ。全世界に約200種が生息する。化石記録も豊富であり、特にエガイ属は三畳紀の層からも発見されている[1]

特徴

殻は白から乳白色だが、茶色の筋が入ったり、全体が茶色い種もいる。生時は殻を厚い茶色の殻皮が覆っており、エガイ属のようにこれが殻の端から突き出し、毛状になる種もある[2]。このような殻皮は保護色擬態としての役割も持つと考えられる。

蝶番線は長く真っ直ぐで、多数の特殊化していない歯が一列に並ぶ[2]。これは多歯型(taxodont dentition)と呼ばれ、原始的な特徴とされる。これに似た蝶番線がタマキガイ科・クルミガイ科・ロウバイガイ科などでも見られる。

分布

全世界の熱帯から温帯の浅海域に分布する。オヤカタサルボウやカワワシノハガイ属の種は汽水域でも見られ、カワワシノハガイ属の中には淡水域に生息する種もある[1]

生態

ほぼ全ての種が足糸で岩などに付着するが、成長に連れて足糸を切り離し、堆積物内での底生生活に移行する種もある。水管はないが、血中にエリスロクルオリンを持ち酸素運搬能力が高いため、酸素濃度の少ない場所にも生息できる[2]

名称

学名"Arcidae"、英名"ark shells"、和名"フネガイ"などはフネガイ属 Arca の殻形に由来する。2枚の殻を合わせると、殻頂の間に広い平たいスペースができる。これを甲板に見立てると、全体としてノアの方舟のような形となるためである。

利害

コンドルノハガイ

コンドルノハガイのような大型種はカリブ海域で食用、釣餌として用いられる。

日本では、アカガイサトウガイが主に寿司刺身用に、サルボウガイが主に缶詰用に食用に供されている[3]

いくつかの種では養殖も行われており、特にハイガイ Tegillarca granosa は東南アジア諸国において重要種となっている[4]

分類

シンガポールで食用とされるフネガイ科の一種
セネガル産のオヤカタサルボウ

WoRMS[5]による。

脚注

  1. ^ a b Geological Survey professional paper, Volume 1228, Parts 1-4, p. 31, - Google ブックス
  2. ^ a b c ARCIDAE in FAO”. 2015年3月12日閲覧。
  3. ^ アカガイ マルハニチロホールディングス「おさかなギャラリー」 2012年6月17日閲覧。
  4. ^ マレーシア半島セランゴール沿岸における麻痺性貝毒原因プランクトンの発見”. 国際農林水産業研究成果情報 第20号 【2012(平成24年度)】. 2015年3月12日閲覧。
  5. ^ "Arcidae". World Register of Marine Species. 2015年3月12日閲覧

外部リンク


「フネガイ科」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フネガイ科」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||

8
100% |||||

9
100% |||||


フネガイ科のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フネガイ科のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフネガイ科 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS