フェンスを巡る議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 22:51 UTC 版)
「アメリカ=メキシコ国境」の記事における「フェンスを巡る議論」の解説
アメリカ合衆国=メキシコ国境に設置されたフェンスにより、国境を横切る不法入国を防ぐことが期待されている。しかし何人かの専門家は、フェンスは、単に国境は常に「安全である」ことをアメリカ合衆国市民に確信させることとを目的とした広報策略でしかなく、その一方で、国境を渡った安い労働力の再入国をしにくくし、そこから得られる経済的なメリットも目論まれていると主張した。メキシコでは、この障壁は非公式に、恥の壁(西: Muro de la Vergüenza, 英: Wall of Shame)と呼ばれている。 ケーブルテレビ局コメディ・セントラルの番組『コルベア・レポー』でベイ・ブキャナンは、三重フェンスの2,000マイルの壁を建設するのには6か月かかり、およそ15 - 30億ドルのコストがかかると試算した。同番組でブキャナンは、1990年代のビル・クリントン政権による国境の警備プログラム「Operation Gatekeeper」では、不法移住を90%カットしたことを引き合いに出し、これと似た結果が期待できるとした。 ダグラス・マセイ博士と他の専門家によれば、このような不法移住への取り組みは、ただ不法移住者の砂漠地帯の国境横断を促すだけで、死亡率は増加し、その上警備の法律は移民のメキシコへの再入国も防止することになる。その代わりに、彼らはアメリカにより長く留まり、いずれは家族も連れてくるだろうと指摘した。 CNNの世論調査によると、ほとんどのアメリカ人が「700マイルのフェンスよりも、より多くの国境監視員を導入すべきだ」という考えであることが示された。
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