トロイア戦争後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 09:26 UTC 版)
アカイア勢が大いなる町トローイアを略奪している間、アテーナーの神殿でその像にしがみついていたプリアモスの娘カッサンドラーを、ロクリスの小アイアースが陵辱した。オデュッセウスはギリシアの将軍たちに、小アイアースを石打で殺して神の怒りを避けることを提案したのだが、ディオメーデースをはじめ他の将に反対された。なぜならその時、小アイアースも自らを守るためにアテーナーの像にしがみついていたからである。彼らがアテーナーへの冒涜を見逃したので、神の怒りを招いた。だがアテーナーはお気に入りのディオメーデースは罰しなかった。 アテーナーによって、総大将アガメムノーンとその弟のメネラーオスの間で、トローイアからの帰還についての口論が起こった。アガメムノーンはアテーナーの怒りを宥めるためにトローイアに残った。ディオメーデースとネストールは状況を議論した末、早急に去ることを決め、巨大な軍隊を引き連れトローイアを去った。彼らは無事に帰還することができたのだが、アテーナーはポセイドーンに訴え、他の多くの船の上に凶暴な嵐を引き起こした。 オデュッセウスに謀殺されたパラメーデースはギリシア軍を呪ったので、ディオメーデースもその災いを被った。パラメーデースの弟のオイアクスはアルゴスに行き、ディオメーデースの妻アイギアレイアに会い、夫が彼女よりも魅力的な女をトローイアから連れてくると吹き込んだ。他の話では、アイギアレイア自身が、ステネロスの息子のコメーテースを愛人としていて、そうするようにパラメーデースの父のナウプリオスに説得されていたという。また、ディオメーデースがアプロディーテーの息子アイネイアースを扱う仕方は立派であったものの、彼女はトローイアでディオメーデースが投げた槍がアプロディーテーの肉を貫通させたことを恨んでいて、それゆえアイギアレイアに多くの男と姦通することを吹き込んだ。 アイギアレイアは他のアルゴス人にも助けられ、ディオメーデースをアルゴスに入れるのを拒んだ。コメーテースはディオメーデースが不在の間アルゴスの王となったが、すぐに正当な後継者であるアイギアレウスの息子のキュアニッポスが王権を継いだ。
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