バッハ:トッカータ 嬰ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バッハ:トッカータ 嬰ヘ短調 | Toccata fis-Moll BWV 910 | 作曲年: 1707-13年 出版年: 1837年 初版出版地/出版社: Trautwein |
作品解説
トッカータ風導入部とアリオーゾ風アダージョ、「急速に、切り離して Presto e Staccato」と題されるフーガ、レチタティーヴォ風の推移部、そして半音階主題のフーガの4部分から成る。
最初の推移部であるアダージョは、二分の三という古めかしい書き方がされているが、テンポは決してそれほど遅いわけではない。半音階をふんだんに散りばめ、さまざまな調を渡り歩いてゆく。
続いて、全音階を順次下行するだけのフーガ主題は、バッハのものとしては珍しいほどにシンプルだが、きわめて判りやすくエネルギーに満ちている。二つ目の推移部はほとんど同じリズム形を繰り返し用いており、和声進行も短調なため、やや冗長に聞こえる。
最後のフーガは、シャコンヌ風のリズムと半音階で4度下行する主題を持つ。このテーマはまるでラメント・バスのように響き、フーガに哀愁を与えている。
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