ディスクライター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:24 UTC 版)
「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」の記事における「ディスクライター」の解説
ディスクカードは任天堂の認定店である玩具店もしくはゲーム専門店に設置されていた「ディスクライター」を使うことで、内容を別のゲームに書き換えることができた。書き換えについては書き換えたいゲームのデータが記録された「ソフトパック」という大型のカートリッジや持ち込んだディスクカードをディスクライターに挿入して行われ、書き換え動作は設置店の店員が担当していた。設置台数は全国で約3,200台。書き換えの料金は通常1タイトル500円、永谷園のCMが出る『帰ってきたマリオブラザーズ』は400円と、新規にディスクカードを購入するよりも安くゲームを楽しむことができたため、当時の主要ユーザーだった児童層からこのシステムは歓迎された。なお、新作の発売と同時に書き換えが開始されるわけではなく、2週間から1ヶ月半ほど期間を開けてから行われていた。 前述のように市場には公式な生ディスクは存在せず、書き換えするためにはまずゲームソフトを購入してディスクを入手することになっていた。『スーパーマリオブラザーズ2』など、片面のみ用いる一部の市販ディスクはB面が初めから空いており、B面に別のゲームを書き込めた。一部のディスクライターで供給されたソフトにはパッケージ販売された新作ゲームだけでなく、過去にロムカセットで販売された作品や、ディスクライターでのみ購入できた書き換え専用ソフトも存在する。またソフトによっては、パッケージ版と書き換え版で一部内容が異なる場合がある。 書き換えたゲームの説明書はパッケージ販売用と同じものが用意され、一部のゲームでは一冊100円で販売、その他は無料で配布していたが、後にパッケージ販売用とは異なる、2色印刷の簡易版が無料配布される形式へ変更された。書き換え版の供給されたすべての説明書にはディスクカードに貼り付けるタイトルシールが付属したが、のちにタイトルシールが不足したため自分でゲームタイトル名をペンで書き込むタイプの白色シールの「ネームラベル」が代わりにされた。さらに、書き込みの受付が終了する直前には書き換え希望が殺到し、説明書や白のネームラベルも品切れとなった店も存在した。 ディスクライターはディスクシステムの衰退とともに任天堂に回収される形で1993年(平成5年)2月中旬に店頭から撤去され始め、3月末には店頭から姿を消した。一方でユーザーへの救済措置のため、その後も同額にて任天堂本社、及び支店(札幌・東京・大阪・名古屋・岡山)で郵送または社内持込による対応が行われていたが、経年による機材老朽化で維持継続が困難となり2003年9月30日到着分を最後に対応が終了した。ディスクライターは任天堂に保管され、現存する最後の1台であるディスクライターが2014年(平成26年)公開の映画『ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック』に登場した。
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