チェーザレ・ロンブローゾとは? わかりやすく解説

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チェーザレ・ロンブローゾ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 10:07 UTC 版)

チェーザレ・ロンブローゾCesare Lombroso1835年11月6日 - 1909年10月19日)は、イタリア精神科医で、犯罪生物学の祖型となった犯罪人類学英語版を生み出した[1]ノーベル生理学・医学賞を受賞したカミッロ・ゴルジの指導教官でもある。隔世遺伝により先祖返りした犯罪を犯しやすい人類の一変種が存在し、身体形質(外見)によって判別可能だとする生来性犯罪者説を唱え、当時大きな影響力をもったが、現在では否定されている。「犯罪学の父」とも呼ばれることもあるが[注釈 1]、「科学としての犯罪学はロンブローゾに始まる」というのは通説にすぎず、「犯罪学における神話」であると指摘されている[2]


注釈

  1. ^ 「犯罪学」という名称自体は同じイタリア学派のラファエレ・ガロファロが始めた。
  2. ^ 頭蓋骨の形状を調べて人間の内面と頭蓋骨の形状の傾向を類型化することで、その人物の頭蓋骨が当てはまる類型から内面を特定できるという考えで、脳機能局在論に基づいている[8][9]
  3. ^ ガルはペトルス・カンパーらの初期文化人類学の影響を受けている[8]。カンパーらの理論は、古代ギリシア・ローマの絵画や彫刻で描かれた人間を理想とみなすヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマンの古典主義美学を根拠としており、人種の体型や容貌の美醜を強く意識したものだった[8]

出典

  1. ^ a b 佐藤 2008, pp. 30–31.
  2. ^ a b 寺中誠. “犯罪学理論の流れに関する一考察~政治的な言説としての犯罪学理論~”. Political Criminology. 2024年2月21日閲覧。
  3. ^ a b Renato M.E. Sabbatini. “Cesare Lombroso: A Brief Biography”. Brain & Mind. 2024年2月22日閲覧。
  4. ^ a b c 福島章. “改訂新版 世界大百科事典 「ロンブローゾ」”. コトバンク. 2024年2月22日閲覧。
  5. ^ a b c 佐藤 2008, p. 44.
  6. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロンブローゾ」”. コトバンク. 2024年2月22日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j Cesare Lombroso”. New World Encyclopedia. 2024年2月22日閲覧。
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  9. ^ a b c 中山元. “近代の法学理論と狂気-フーコー論二五章”. 哲学リソースサイト. 2024年2月19日閲覧。
  10. ^ a b 宮崎 2016, p. 134.
  11. ^ a b c d 萩野谷俊平 (2016年1月18日). “生まれつきの犯罪者はいるか:ロンブローゾの生来性犯罪者説”. みんなの犯罪心理学. 2024年2月19日閲覧。
  12. ^ a b 西原春夫. “日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロンブローゾ」”. コトバンク. 2024年2月22日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g 田中 2020, pp. 46–49.
  14. ^ 中谷 2020, pp. 318–319.
  15. ^ a b 宮崎 2016, p. 134-135.
  16. ^ a b c d 宮崎 2016, p. 133-134.
  17. ^ 宮澤 1956, p. 62.
  18. ^ a b 岩村 2022, pp. 180–181.
  19. ^ 宮崎 2016, pp. 133–134.
  20. ^ a b c フォーヴェル 2021, p. 92-93.
  21. ^ a b 金子 2018, pp. 4–5.
  22. ^ a b 大内 2010, p. 71.
  23. ^ 岡本奈香子. “リサーチ 創造性と脳機能障害の関係性について”. 岡本奈香子. 2024年2月22日閲覧。
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  25. ^ コナン・ドイル、エドガー・アラン・ポーから現代まで。「非日常の快楽」をもたらすミステリーの魅力を解き明かす”. ダ・ヴィンチWeb (2022年4月6日). 2024年2月18日閲覧。
  26. ^ 佐藤 2008, pp. 32–33.
  27. ^ a b 西村 2015, pp. 32–33.
  28. ^ 芝崎 2020, p. 78.
  29. ^ a b 中谷 2020, pp. 318–320.
  30. ^ a b c d 池田光穂. “チェザーレ・ロンブローゾ”. Whole Asshole Catalogue. 2024年2月21日閲覧。
  31. ^ 宮崎 2016, p. 128-137.
  32. ^ 宮崎 2016, p. 137-138.
  33. ^ 第25章、ジャック・セワード博士の日記(10月28日)
  34. ^ a b 服部徹也. “文豪夏目漱石の死──『新小説』の漱石追悼特集号”. 春陽堂書店. 2024年2月21日閲覧。
  35. ^ 田中ひかる (2020年12月26日). “杉田水脈も口にした「女性はいくらでも嘘をつく」…言い出したのは誰なのか?”. 文春オンライン. 2024年2月18日閲覧。
  36. ^ a b 藤原編集室. “クライム・ブックス 全5巻”. 本棚の中の骸骨. 2024年2月18日閲覧。
  37. ^ 小酒井不木「犯罪者の人相」『科学探偵』春陽堂、1924年、282-284頁。NDLJP:979658/153 
  38. ^ 平井瑛子(平凡社編集部) (2020年12月18日). “「女は月経時に万引きをする」「女は生理中に罪を犯す」  なぜこんなトンデモ説が生まれてしまったのか”. じんぶん堂(朝日新聞社 他). 2024年2月16日閲覧。
  39. ^ 田中ひかる (2019年11月26日). “「生理バッジ」大炎上…それでも日本社会の月経観は「進歩」している 生理中かどうかを明かす意味と覚悟”. 現代ビジネス(講談社). 2024年2月18日閲覧。
  40. ^ a b c 田中ひかる (2020年12月18日). “「虚偽の強姦」多発の真相…「女は嘘つき」はなぜ“定説”となったのか”. 現代ビジネス(講談社). 2024年2月18日閲覧。
  41. ^ 藤澤(1992) p.49
  42. ^ 藤澤(2016) p.146
  43. ^ 竹内(1998) p.4
  44. ^ 北村他(2012) p.76
  45. ^ 梅根他(1977) p.176
  46. ^ 藤澤(2021) p.209-210
  47. ^ 北村(2005) p.50-51
  48. ^ 北村(2005) p.53-54
  49. ^ 北村(2005) p.54
  50. ^ 北村(2005) p.60
  51. ^ 北村(2005) p.66
  52. ^ 北村(2005) p. 161-163
  53. ^ 北村(2005) p.163-165
  54. ^ 北村(2005) p.69
  55. ^ 北村(2005) p.70
  56. ^ 北村(2005) p.21


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チェーザレ・ロンブローゾ

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犯罪生物学」の記事における「チェーザレ・ロンブローゾ」の解説

A: 隔世遺伝 犯罪者身体的な特徴及び異常は、先祖返り的に現出する。 B: 骨相学 頭蓋骨特徴断崖のような前額など。 C: 身体的特徴 斜眼三白眼など、目の特徴直立耳、尖り耳など、耳の特徴。指の奇形など。 そのほか利き手の関係や発毛程度など、あらゆる側面検討した

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