スギ花粉症緩和米
スギ花粉米
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スギ花粉米(すぎかふんまい)とは、摂食によりスギ花粉症を緩和させることを目的に遺伝子組換え技術を用いて作出されたイネのことである。遺伝子組換えによってスギ花粉が持つ抗原タンパク質が種子に蓄積するように改変されており、経口摂取によって減感作を誘導し、スギ花粉症が緩和される効果があることが期待されている。2005年に農業生物資源研究所の高木英典らによってマウスでスギ花粉へのアレルギー症状の緩和が報告され、ヒトへの応用に向け研究開発が進められている[1]。2000年台初頭の研究開発当初は健康食品として実用化することを念頭に開発していたため名前を「スギ花粉症緩和米」としていたが、のちに医薬品として提供することに研究目標に変えたため「スギ花粉症治療米」と命名した。しかしその後、オープンイノベーション方式の開発方式に転換し、名前も「スギ花粉米」へと変更された[2]。
- ^ a b c 日本学術振興会植物バイオ第160委員会 (2009-03). 救え!世界の食料危機: ここまできた遺伝子組換え作物. 化学同人. ISBN 9784759811728
- ^ “【花粉米】お米でスギ花粉症対策「スギ花粉米」の臨床研究最新状況、平成30年度の栽培計画”. 花粉症クエスト. キューアイ (2018年3月20日). 2018年10月26日閲覧。
- ^ a b c d e f 文雄, 高岩、秀之, 川内、三郎, 斎藤「経口型アレルギーワクチン “スギ花粉米” の有効性」『口腔・咽頭科』第30巻第1号、2017年3月31日、doi:10.14821/stomatopharyngology.30.5、ISSN 0917-5105。
- ^ “スギ花粉症緩和米の研究開発”. 農業・食品産業技術総合研究機構. 2018年10月26日閲覧。
- ^ a b c “「スギ花粉米」の詳細な仕様”. 農業・食品産業技術総合研究機構. 2018年10月27日閲覧。
- ^ a b c d “【花粉米】⑤《インタビュー》「国民病のスギ花粉症対策に日本の農家が役立つことを夢見て」Part 1”. キューアイ (2018年3月3日). 2018年10月27日閲覧。
- ^ Takagi, Hidenori; Hiroi, Takachika; Yang, Lijun; Tada, Yoshifumi; Yuki, Yoshikazu; Takamura, Kaoru; Ishimitsu, Ryotaro; Kawauchi, Hideyuki et al. (2005-11-29). “A rice-based edible vaccine expressing multiple T cell epitopes induces oral tolerance for inhibition of Th2-mediated IgE responses” (英語). Proceedings of the National Academy of Sciences 102 (48): 17525–17530. doi:10.1073/pnas.0503428102. ISSN 0027-8424. PMC 1297655. PMID 16278301 .
- ^ 農林水産省. “スギ花粉症米開発について”. 食品安全総合情報システム. 食品安全委員会. 2018年10月26日閲覧。
- ^ 農業と生物機能の高度活用による新価値創造に関する研究会 (2018年1月18日). “生物機能の高度活用による新たな価値の 創造の実現に向けて(提言) ー 概要 ー”. 農林水産省. 2018年10月27日閲覧。
- ^ “遺伝子組換えイネの隔離ほ場試験の中止について(お知らせ)”. 全国農業協同組合連合会 (2004年5月26日). 2004年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。18-10-27閲覧。
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