チョナン派とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > チョナン派の意味・解説 

チョナン派

(ジョナン派 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 08:40 UTC 版)

チョナン派[1]チベット文字ཇོ་ནང་)は、チベット仏教の学派の1つ。

12世紀ガムポパの薫陶を受けた人々によってカギュ派から6つの僧団が建てられ、チベットに多様な僧院文化が展開された。その後、14世紀に新たに生じた第7の僧団がチョナン派である[2]。「チョナン」の名はチョモナン寺院を本拠としたことに由来し、同僧団で最大の著作家の一人トルポパ・シェーラプ・ギェルツェン(en:Dolpopa Sherab Gyaltse )によれば、彼の師匠であったクンパン・トゥクジェ・ツォンドゥーから遡ること7代前の師であり、時輪タントラを修めたユモ・ミキョ・ドルジェ(en:Yumo Mikyo Dorje)を師祖とするという[2]。基となったカギュ派もヒンドゥー教の影響が強い学派だったが、チョナン派はアートマンの存在を認めているとも解釈できる「他空説」(en:Shentong)を定式化し、大乗仏教において異端とも言える僧団となった[2]

17世紀ダライ・ラマ5世が即位すると彼の支持母体であるゲルク派(黄帽派)が勢力を拡大し、著述家であり最後の大学匠となるターラナータ英語版の死後にチョナン派の全ての僧院は閉鎖され、同派の書物は焚書となった[3]

チョモナン寺院はガンデン・プンツォクリンと改名され、1959年まで存続した[3]。近年はダライ・ラマ14世の協力で復興運動が起こっている[4]

脚注

  1. ^ ブリタニカ国際大百科事典「チョナン派」
  2. ^ a b c D.スネルグローブ & H.リチャードソン 2011, p. 238-239.
  3. ^ a b D.スネルグローブ & H.リチャードソン 2011, p. 256-261.
  4. ^ JONANG MONASTERY | FOTOCAUSE 引用:”Interestingly, one of the primary supporters of the Jonang lineage in exile has been the 14th Dalai Lama of the Gelugpa lineage. The Dalai Lama donated buildings in Himachal Pradesh state in Shimla, (…)The 14th Dalai Lama assigned Khalkha Jetsun Dampa Rinpoche or the ‘Bogd Gegeen’ of Mongolia (who is considered to be an incarnation of Taranatha) as the leader of the Jonang tradition.” 2022年6月16日閲覧。

参考文献

  • D.スネルグローブ、H.リチャードソン 著、奥山直司 訳『チベット文化史』(新装版第1刷)春秋社、2011年。ISBN 978-4-393-11309-7 

関連項目

  • 空 (仏教)
  • 初回放送日:2021年3月6日NHK「天空チベット タンカ絵師の郷」で紹介された。
  • チョナン派の開祖:ドルポパ[1]著した『A General Explanation of Buddha’s Teaching』仏教の核心的な意味を明らかにする「他空説」(Empty of Other)の最初の著作です。[2]

外部リンク

  1. ^ ドルポパ”. 2024年8月21日閲覧。
  2. ^ A General Explanation of Buddha’s Teaching. 西藏藏文古籍出版社(ISBN 978-626-01-0550-1). (2022). p. 6 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「チョナン派」の関連用語

チョナン派のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チョナン派のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチョナン派 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS