クラヴサン作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 09:45 UTC 版)
ルイ・クープランのクラヴサン作品の大部分は、シャンボニエールと同じく、リュート曲の伝統に基づいた舞曲作品であるが、ルイ・クープランの作品はシャンボニエールのものに比べ、より複雑で劇的な性格を持っている。クラヴサン作品の全体のほぼ3分の2はアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグで占められるが、その他にパッサカリアとシャコンヌが重要である。両者の区別は既に曖昧となっており、しばしばロンド形式を取る。『パヴァーヌ 嬰ヘ短調』は、その厳粛な雰囲気と特殊な調性から、サーストン・ダートはエヌモン・ゴーティエを偲んだ作品ではないかと推察している。これらの舞曲は基本的に組曲の形では残されていないが、現在演奏される場合は、適宜同じ調の作品で組曲を構成することが一般的である。 一方で、ルイ・クープランのクラヴサン作品の中で注目すべきジャンルとして、プレリュード・ノン・ムジュレが挙げられる。ルイ・クープランはクラヴサンのためのプレリュード・ノン・ムジュレを残した最初の作曲家であると見なされている。ルイ・クープランはこの非定量的なプレリュードを、時に挿入される対位法的な部分を除いては、音価の区別なく全音符のみによって記譜し、多様なスラーによって演奏の指示を与えている。
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