ギリヤドの香油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:09 UTC 版)
ポーはさらに、聖書の『エレミヤ書』に出てくる「ギリヤドの香油」(en:Balsam of Mecca)についても言及している。「ここにはギリヤドの香油はないのか?」と主人公は大鴉に聞く。ギリヤドの香油は医療の目的に使われる天然樹脂で、もしかすると、主人公がレノーアを失ったことから癒しを求めていることを暗示しているのかも知れない。主人公がレノーアが天国に召されたかどうかを聞くところでは、「Aidenn」(エデンの園=Garden of Edenの別名)について言及したり、別の箇所では、主人公は熾天使が部屋に入ってきたと空想したりする。主人公は熾天使たちが、ホメーロスの『オデュッセイア』に出てくる忘れ薬ネペンテス(悲しみや苦痛を忘れさせる)を自分に使わせることで、レノーアの記憶を追い払おうとしているのだと考えられる。
※この「ギリヤドの香油」の解説は、「大鴉」の解説の一部です。
「ギリヤドの香油」を含む「大鴉」の記事については、「大鴉」の概要を参照ください。
- ギリヤドの香油のページへのリンク