エピグラフとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > エピグラフの意味・解説 

エピグラフ【epigraph】

読み方:えぴぐらふ

碑銘碑文

書物巻頭などに引用されている銘句題辞


エピグラフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/10 01:48 UTC 版)

エピグラフ(epigraph)は、文書の巻頭に置かれる引用などの短文のこと。題句銘句題辞。他に、石・彫刻・硬貨に刻む碑銘碑文の意味もある。

概要

エピグラフは序文、要約、反例になることもあり、作品をより広く知られている文学作品と関連づけたり、比較をもたらしたり、あるいは様式化されたコンテクストに参加するためにも使われる。たとえば、T・S・エリオットは『J・アルフレッド・プルフロックの恋歌英語版』でダンテの『神曲』からの長い引用をエピグラフに用いたが、それは『神曲』地獄篇でのグイド1世・ダ・モンテフェルトロ英語版の言葉[1]とエリオットの詩を形成するモノローグを関連づけることで、プルフロックの告白に注釈と重要性をつけくわえるためだった。エリオットは『Gerontion』でもウィリアム・シェイクスピア尺には尺を』からの引用をエピグラフとして利用している。

ジョルジュ・ペレックの『人生使用法英語版』の序文と本全体へのエピグラフは、トリックは遊ばれるものであり、すべてがそう見えるものではないということを読者に警告している。

E・L・ドクトロウの『Ragtime』のエピグラフは、スコット・ジョプリンラグタイムを演奏する人たちへの教示からの引用である。「曲を速く演奏しないこと。ラグタイムを速く演奏するのはけっして正しくない」。これは20世紀への変わり目のアメリカ合衆国の加速するペースと対称的な立場である。

作品自体の虚構性に関連させる意味で、虚構の引用を使う作家もいる。たとえば、スティーヴン・キングの『ミザリー』では主人公の書いた虚構の小説の一節をエピグラフとしている。またジャスパー・フォードの『文学刑事サーズデイ・ネクスト1 - ジェイン・エアを探せ!英語版』では、おそらく本編で描かれる事件について書かれた未来の書物からの引用をエピグラフに使っている。SF作家には物語の舞台となる世界の引用を使うことを好んでやっている。たとえば、アイザック・アシモフ『ファウンデーション』シリーズフランク・ハーバートの『デューン』シリーズがその例である。それは想像上の世界に信憑性を与えるやり方と見ることができる。

関連項目

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ 『神曲 01 地獄』:旧字旧仮名 - 青空文庫山川丙三郎訳) 地獄篇 第27歌(第二十七曲) ウリッセ(オデュセウス)等去りて後グイード・ダ・モンテフェルトロの魂同じく焔に包まれて來りローマニアの現状をダンテに問ひ己が地獄にくだるにいたれる顛末を告ぐ

エピグラフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 16:08 UTC 版)

戦争と平和 (オペラ)」の記事における「エピグラフ」の解説

原作第3巻から改変した詩で、外国侵入対す抵抗決意合唱が歌う。第2部冒頭に置くこともでき、どちらを採るべきかプロコフィエフ決定していない。

※この「エピグラフ」の解説は、「戦争と平和 (オペラ)」の解説の一部です。
「エピグラフ」を含む「戦争と平和 (オペラ)」の記事については、「戦争と平和 (オペラ)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「エピグラフ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エピグラフ」の関連用語

エピグラフのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エピグラフのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエピグラフ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの戦争と平和 (オペラ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS