エックス線吸収端近傍構造 (XANES)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/25 13:32 UTC 版)
「エックス線吸収微細構造」の記事における「エックス線吸収端近傍構造 (XANES)」の解説
吸収端の前後 50 eV 程度までの領域に見られる構造をエックス線吸収端近傍構造 (X-ray Absorption Near Edge Structure) と呼ぶ。通常、XANES(ザーネスまたはゼインズ)と略される。有機分子の場合、NEXAFS(ネグザフス、吸収端近傍X線吸収微細構造)とも呼ばれるが、NEXAFS は XANES とほぼ同義である。 この領域のピークは内殻電子が空軌道またはバンドへ遷移するエネルギーに対応する。吸収端領域のピーク構造を解析することで、X線吸収原子の電子状態を知ることができる。このことはヴァルター・コッセル (Walther Kossel) によって最初に発見され、かつてはコッセル構造 ("Kossel structure") と呼ばれた。 吸収端より低いエネルギー領域に現れるピークはプリエッジと呼ばれる。発生原因にはいくつかあるが、電気双極子禁制遷移などが含まれる。 XANES の分析からは主にX線吸収原子の電子構造、局所構造の対称性などの幾何学的情報が得られる。
※この「エックス線吸収端近傍構造 (XANES)」の解説は、「エックス線吸収微細構造」の解説の一部です。
「エックス線吸収端近傍構造 (XANES)」を含む「エックス線吸収微細構造」の記事については、「エックス線吸収微細構造」の概要を参照ください。
- エックス線吸収端近傍構造のページへのリンク