エキスパートシステムの隆盛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 08:13 UTC 版)
「人工知能の歴史」の記事における「エキスパートシステムの隆盛」の解説
エキスパートシステムは、特定領域の知識について質問に答えたり問題を解いたりするプログラムで、専門家の知識から抽出した論理的ルールを使用する。初期の例として、エドワード・ファイゲンバウムらが開発した分光計の計測結果から化合物を特定するDendral(1965)、伝染性血液疾患を診断するMycin(1972)がある。それらがこのアプローチの有効性を示した。 エキスパートシステムは扱う領域を狭くし(それによって常識的知識の問題を回避し)、単純な設計でプログラムを構築しやすくすると同時に運用中も修正が容易となっている。エキスパートシステムは実用的であり、それまでのAIが到達できていなかった段階にまで到達した。 1980年、CMUがDECのためにエキスパートシステムXCON(英語版)を完成させた。これはDECのVAXシステムの注文に対応したコンポーネントを過不足なく抽出するもので、1986年まで毎年4000万ドルの節約効果を発揮するという大成功を収めた。世界各国の企業がエキスパートシステムの採用を始め、1985年には全世界で10億ドル以上をAIに支出しており、そのほとんどが企業内のAI部門への支出だった。それをサポートする産業も成長してきた。例えばハードウェア企業のシンボリックスやLMI(英語版)、ソフトウェア企業のインテリコープ(英語版)や Aion がある。
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