ウィンドウフォーカス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 15:51 UTC 版)
「フォーカス (GUI)」の記事における「ウィンドウフォーカス」の解説
デスクトップでのフォーカスの振る舞いは、ウィンドウ管理のポリシーが支配している。マイクロソフトやAppleのGUIでは、クリックに追随してフォーカスが移動するFFCである。すなわち、あるウィンドウ内でマウスをクリックすると、そのウィンドウがフォーカスを得る。その際に同時にそのウィンドウが最前面に表示される。 UNIXの X Window System では、マウスの移動に追随してフォーカスが移動するFFMというポリシーもある。すなわち、マウスカーソルの現在位置に従ってフォーカスがウィンドウからウィンドウへ移動する。このポリシーの当然の帰結として、マウスカーソルの下が背景であってどのウィンドウの上でもない場合、どのウィンドウにもフォーカスがない状態になる。そこで、マウスカーソルがどのウィンドウ上でもない場所に移動したときは、直前までフォーカスを持っていたウィンドウが引き続きフォーカスを保持するというポリシー(英: sloppy focus)もある。なお上述のとおり、マイクロソフトのGUIは通常FFCポリシー動作だが、Windows 10ではコントロールパネルでの設定によりFFMポリシーで動作させることも可能になっている。 どのポリシーがよいかは議論の分かれるところである。FFMの場合、マウスに何かが当たるなどしてマウスカーソルが意図せずに移動したとき、知らないうちにフォーカスも移動するという状況があり、初心者が戸惑うことがある。しかし、慣れてくると便利であり、特にフォーカスを得たウィンドウを最前面にしないポリシーと組み合わせると、様々な制御が可能になる。例えば、大きなウィンドウが背面にあって小さなウィンドウが前面にあり、これらウィンドウ間のコピー・アンド・ペーストをするときに、ウィンドウ配置(前後関係)を全く変えることなく実行できる(⎇ Alt+⭾ Tab でアクティブウィンドウを切り替える必要がない)。 FFMは、メニューバーが個々のウィンドウ内に組み込まれているようなインタフェースでのみ実施可能である。macOS のように単一のグローバルなメニューバーが画面上端にある場合、画面下部にある小さいウィンドウのメニューを使おうとすると、まずそのウィンドウにマウスカーソルを移動させてフォーカスを与え、続いて画面上端まで他のウィンドウを横切ることなくマウスカーソルを移動させなければならない。したがって、非常に使いにくくなる。
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