ウィルタ協会とは? わかりやすく解説

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ウィルタ協会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/17 23:31 UTC 版)

ウィルタ協会(ウィルタきょうかい)は、かつて日本領だった北緯50度以南の樺太(サハリン)に住んでいた先住民族のウィルタ(オロッコ)の復権・文化保全を目的とした日本の団体。ウィルタだけでなく、ニヴフ(ギリヤーク)やアイヌなどの北方少数民族の復権・文化保全活動を行っている。1975年昭和50年)7月12日に、ウィルタ族のダーヒンニェニ・ゲンダーヌ(北川源太郎)による日本政府告発をきっかけに、「オロッコの人権と文化を守る会」として結成され(当時の会長は網走市会議員窪田茂人)、翌1976年12月にウィルタ協会と改称した。同協会は「オロッコ」を蔑称とみなしている[注釈 1]慰霊碑建立や資料館ジャッカ・ドフニ(2010年10月31日閉館)の建設にたずさわった。樺太の同胞との交流なども行っている。


注釈

  1. ^ 「オロッコ」は元来、アイヌによる他称であった[1][2]
  2. ^ 日本のために戦い、苦労もした彼であったが、彼を温かく迎えた人はなく、戸籍がないことも判明し、当初は就職すらできなかったという[3]
  3. ^ 「ジャッカ・ドフニ」は、兄の死後、北川アイ子が館長を務めたが、2010年10月31日をもって閉館した[12]。「ジャッカ・ドフニ」に収められていた収蔵品は、散逸することなく、一括で北海道立北方民族博物館に収蔵されることになった[12]

出典

  1. ^ 洞(1980)p.956
  2. ^ Ants Viires (1993年8月). “The red book of the Russian Empire. "THE OROCS"”. The Peoples of the Red Book. The Redbook. 2022年8月5日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 榎澤幸広「ウィルタとは何か? -弦巻宏史先生の講演記録から 彼らの憲法観を考えるために- 第一部」『名古屋学院大学論集 社会科学篇』第48巻第3号、名古屋学院大学、80-87頁、2012年1月。 NAID 120006009768 
  4. ^ 真野森作. “あの人気漫画の舞台「樺太」の戦前、戦中、そして戦後”. 政治プレミア. 毎日新聞. 2022年7月15日閲覧。
  5. ^ a b 平山(2018)p.167
  6. ^ 荻原(1988)p.151
  7. ^ 河野(1981)pp.64-68
  8. ^ a b c d 弦巻宏史・榎澤幸広「ウィルタとは何か? -弦巻宏史先生の講演記録から 彼らの憲法観を考えるために- 第二部」『名古屋学院大学論集 社会科学篇』第48巻第3号、名古屋学院大学、87-113頁、2012年1月。 NAID 120006009768 
  9. ^ a b c 田中・ゲンダーヌ(1978)
  10. ^ 津曲敏郎 (2020年3月13日). “「小さな夢」を引き継ぐ 1.ウイルタとして生きる”. 館長の部屋. 北海道立北方民族博物館. 2022年7月15日閲覧。
  11. ^ 大広朔洋 (2018年7月19日). “北方民族の祈りを彫る:ウィルタ族の木偶モチーフ 網走で制作続ける”. 日本経済新聞 文化面「カバーストーリー」. 日本経済新聞社. 2022年8月7日閲覧。
  12. ^ a b 笹倉いる美 (2016年2月29日). “北方少数民族資料館ジャッカ・ドフニ【コラムリレー第27回】”. 集まれ! 北海道の学芸員. 北海道博物館協会. 2022年8月8日閲覧。


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