【アレスティングギア】(あれすてぃんぐぎあ)
Arresting gear
(航空母艦用)着艦拘束装置。
航空母艦に着艦する艦上機を拘束するために用いられる、アレスティングワイヤーとアレスティングエンジン(後述)を組み合わせた装置のこと。
基本的に航空母艦用の装備だが、着艦訓練用として陸上基地の滑走路へ装備されることもある。
アレスティングエンジン
アレスティングエンジンとは、アレスティングワイヤーを張ったり緩めたりする油圧装置である。
飛行甲板の長さは(船体サイズの制約もあって)限られており、そのままでは着艦後の減速・停止に充分ではないため、艦上機はアレスティングフックをアレスティングワイヤーに引っ掛けて強制的に制動をかける。
しかし、急激な制動をおこなうと機体や乗員に致命的な衝撃が加わるため、アレスティングエンジンによってワイヤーを緩めながら制動をかける。
制動が終わり、フックからワイヤーが離れると、アレスティングエンジンはワイヤーを定位置まで巻き戻す。
「緩めながら制動をかける」といっても、ワイヤーには約50tもの張力がかかるといわれ、機体や乗員にも大きな衝撃が加わる。
アレスティングギアがあっても、着艦がきわめて危険な作業であることには変わりない。
アレスティング・ギア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 15:12 UTC 版)
制動装置(英語: Arresting gear)は、着陸の際に飛行機を短い滑走距離で制動するための装置[1][2]。特に航空母艦では、着艦の能否はその根本であり、着艦できなければ空母としての機能に関わることから、制動装置は極めて重要となる[2]。
- ^ Wragg, David W. (1973). A Dictionary of Aviation (first ed.). Osprey. p. 42. ISBN 9780850451634
- ^ a b c d 福井 2008, pp. 175–177.
- ^ a b c d e f g h i 石橋 1992.
- ^ a b c d Friedman 1983, appx.C Arresting Gear.
- ^ Gardiner 1980, p. 261.
- ^ Kinnear 1963.
- ^ 松崎 2012.
- ^ 大塚 2014, pp. 118–131.
- ^ a b c d e 岡部 2016.
- ^ 立花 1984.
- 1 アレスティング・ギアとは
- 2 アレスティング・ギアの概要
- 3 脚注
- アレスティングギアのページへのリンク