わが友 ヒットラーとは? わかりやすく解説

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わが友ヒットラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 13:55 UTC 版)

わが友ヒットラー』(わがともヒットラー)は、三島由紀夫戯曲。全3幕から成る。アドルフ・ヒトラーが政権を獲得した翌年に起こした突撃隊粛清レーム事件)を元にした作品である。ヒトラーに厚い友情を抱いているナチス私兵・突撃隊幕僚長エルンスト・レームと、全体主義の移行のために「中道」姿勢を国民に見せておく必要から極右のレーム処分を考えるヒトラーとの対比を会話劇で描いている。私兵「楯の会」を率いていた三島が、レームに理想の人物像を重ね合わせている作品でもある[1][2]。登場人物が男性4人だけなので、女性6人のみの『サド侯爵夫人』と対をなす作品となっている[1]。なお、作者・三島による脚本読みの肉声録音が残っている[3]


注釈

  1. ^ 2021年1月16-24日に東京・シアター風姿花伝にて上演予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う緊急事態宣言の発出が見込まれたため延期。
  2. ^ サド侯爵夫人』の脚本読みを録音したテープもあったが、そちらは紛失してしまい所在不明だと和久田誠男は語っている[17]

出典

  1. ^ a b c d 「『わが友ヒットラー』覚書」(劇団浪曼劇場プログラム 1969年1月)。新潮文庫 2003, pp. 234–237、35巻 2003, pp. 386–388に所収
  2. ^ a b c d e f g h i j 「第四章 最後のロマンティーク――三島由紀夫 5『わが友ヒットラー』」(伊藤 2006, pp. 164–168)
  3. ^ 「disc1」「disc2」(41巻 2004
  4. ^ 井上隆史「作品目録――昭和43年」(42巻 2005, pp. 448–452)
  5. ^ 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
  6. ^ a b 松本道介「わが友ヒットラー」(事典 2000, pp. 421–425)
  7. ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」(事典 2000, pp. 695–729)
  8. ^ a b 「作品の背景――『わが友ヒットラー』」(東京新聞 1968年12月27日)。新潮文庫 2003, pp. 231–233、35巻 2003, pp. 319–320に所収
  9. ^ a b 「一対の作品―『サド侯爵夫人』と『わが友ヒットラー』」(劇団浪曼劇場プログラム 1969年5月)。新潮文庫 2003, pp. 237–239、35巻 2003, pp. 472–473に所収
  10. ^ 秋山安三郎「劇評」(朝日新聞夕刊 1969年1月27日号)。事典 2000, p. 424
  11. ^ 小島信夫「文芸時評」(朝日新聞夕刊 1968年11月28日号)。事典 2000, p. 424
  12. ^ a b マイコウィッチ・ミナコ・K「わが友ヒットラー」(旧事典 1976, pp. 469–470)
  13. ^ a b 「第五章 文と武の人」(佐藤 2006, pp. 144–205)
  14. ^ a b 和久田誠男「『サロメ』演出を託されて――和久田誠男氏を囲んで(聞き手:松本徹・井上隆史・山中剛史)」(研究4 2007, pp. 4–28)。同時代 2011, pp. 389–426に所収
  15. ^ a b c d e f 後藤修一「『わが友ヒットラー』の時代考証―三島さんとの出会い」(憂国忌 2010, pp. 54–56)
  16. ^ 勝部演之、佐々木治己 著「記憶-三島由紀夫と松浦竹夫」、日本演出家協会 編『戦後新劇 演出家の仕事2』れんが書房新社、2007年5月25日、247-265頁。 
  17. ^ 「解題――わが友ヒットラー」(41巻 2004, pp. 5–7)






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