『経済学の本質と意義』
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「ライオネル・ロビンズ」の記事における「『経済学の本質と意義』」の解説
ロビンズの最も著名な著作は1932年のEssay on the Nature and Significance of Economic Science(『経済学の本質と意義』)である。ここで述べられている経済学の定義、すなわち「様々な用途を持つ希少性のある資源と目的との間の関係としての人間行動を研究する科学」という定義は、今日でもなおよく引用されるものである。希少性に着目してそれに基づいて理論を構築するのは、限界革命以降の新古典派経済学の特徴であり、この定義は限界主義の立場をよく表しているといえる。したがって、ここからもロビンズに対する大陸ヨーロッパの経済理論の影響を窺うことができる。 このように、ロビンズの初期の研究は、ローザンヌ学派やオーストリア学派に近い立場からマーシャルの流れを汲む理論を論駁し、新たな経済理論を打ち立てることに関心を向けていた。1928年の論文では、マーシャルの企業の理論を批判し、またその後はマーシャル流の「実質コスト」に基づく供給理論に代えて、フリードリヒ・フォン・ヴィーザーの理論を発展させた代替コストに基づく供給理論を提唱した。
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