《いますか》の敬語
「いますか」の敬語表現
「いますか」は「いる」の敬語表現の一つです。「いる」の丁寧語が「います」であり、これを疑問形にしたものが「いますか」になります。元になっている「いる」の尊敬語には、「いらっしゃる」や「おいでになる」といった表現があり、「いますか」のように疑問形にするのなら、「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」というように変形することができます。「いる」の謙譲語には「おる」という表現があり、「ます」を付けて敬語として用いる際には、「おります」となるので、「いますか」のように変形させると、「おりますか」いった表現になります。丁寧語は語尾に「です」や「ます」を付けた表現ですが、「いますか」はすでに丁寧語表現ですので、そのまま丁寧語として用いることができます。「いますか」の敬語の最上級の表現
「いますか」をより丁寧な表現にすると、尊敬語では「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」になります。相手を高めることによって敬意を表すのが尊敬語であり、「いらっしゃいますか」と「おいでになりますか」は、どちらを用いても問題ありません。自らを下げて相手側を高める謙譲語表現では、「いますか」は「おりますか」になります。自らのいるいないを他人に問うことはないので、「私」が主語になることはありませんが、身内や自社の社員のことについて尋ねる際に、先方などのより目上の人に伝える際には、「おります」や「おりますか」を用います。「弊社の○○はそちらにおりますか」のように用いることができます。
「いますか」自体が「いる」の丁寧語であるので、「いますか」も敬語表現ですが、最上級の敬語表現を用いるべきような相手に対して用いるには少々軽いニュアンスの敬語表現となってしまいます。どちらを用いるべきなのか迷うときには、尊敬語である「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」を用いるのが無難でしょう。
「いますか」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「いますか」を尊敬語表現に変形すると「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」といった表現になります。これらでメールや手紙を作成すると、・○○部長はいらっしゃいますか
・研究室に教授はおいでになりますか
などのような文章になります。
謙譲語の表現では「おりますか」となるので、
・○○はおりますか
のような文章になります。
「いますか」を上司に伝える際の敬語表現
「いますか」は「いる」の丁寧語であるため、上司に対してそのまま用いても問題ありません。ただし、尊敬語や謙譲語ほどかしこまった表現ではないため、近しい先輩や親しい上司に用いる程度にしておいた方がよいでしょう。誰の在否を尋ねたいのかによって、使い分けることが重要です。社長や先方など、上司以上に敬意を表す必要がある人の在否を尋ねるのであれば、尊敬語である「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」を用いて、「社長はいらっしゃいますか(おいでになりますか)」とします。同僚など、上司の方に敬意を表すべき相手の所在を尋ねる際には、謙譲語である「おりますか」を用いて「部長、○○はおりますか」のようにします。「いますか」の敬語での誤用表現・注意事項
「いますか」の敬語表現において、使い分けやタイミングなど、注意するべき事項があります。尊敬語表現の「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」を用いる際に、「いらっしゃいますでしょうか」や「おいでになられますか」とするのは誤用です。「いらっしゃいますでしょうか」は「いらっしゃる」が尊敬語であり、その後に続く「ます」と「です」が共に丁寧語であるため、二重敬語になってしまいます。「おいでになられますか」については、「おいでになる」だけで尊敬語であり、そこにさら「れる」や「られる」を付けてしまうことによって、二重敬語となってしまうため、どちらも誤用表現です。謙譲語の「おりますか」や丁寧語の「いますか」も、より丁寧な表現にしようと「おりますでしょうか」や「いますでしょうか」としてしまうと、二重敬語となり誤用表現ですので注意が必要です。「社長はおりますか」のように目上の人のことを尋ねるさいに「おりますか」を用いるのは誤りです。「おりますか」は謙譲語であり、尊敬表現として用いることはできないため、相手のことを尋ねる際には「いらっしゃいますか」「おりますか」を用います。
特殊なケースとして「おられますか」が挙げられます。本来、「おられる」は謙譲語の「おる」と尊敬語の「れる」から成り立っているため、誤用とされることが多いのですが、地域によっては「おる」を「いる」の代わりに用いることもあります。この場合、「おる」は謙譲語ではなく、「いる」としても用いられているため、「れる」を付けて「おられる」としても不自然ではないというように解釈され、用いられていることもあります。
「いますか」の敬語での言い換え表現
「いますか」は「いる」の敬語表現であり、「いますか」の他にも「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」、「おる」などと表現することができます。それぞれは次のように言い換えることもでき、相手や場面に応じて用います。・いますか
・いらっしゃいますか
・おいでになりますか
・おりますか
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