Transistor-transistor logic インタフェース

Transistor-transistor logic

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/22 07:50 UTC 版)

インタフェース

論理レベルを0にするには入力に向かって電流が流れなければいけないため、DTLと同様にTTLは「電流シンク・ロジック」といわれる。入力電圧がLOのとき、TTLの入力ソース電流は前段に流れ込むので、そちらで吸収されなければならない。この電流の最大値は基本的TTLゲートで約1.6mAである[17]。入力ソースは、こうして流れ込む電流が無視できるレベル(0.8V未満)の電圧しか発生しないよう抵抗値を小さく(500Ω未満)する必要がある。推奨されない使い方だが、使わない入力を常に論理値 "1" にしておくためにどこにも接続しないままにしておくことがある。

標準TTL回路の電源電圧は5ボルトである。TTLの入力信号は接地に対して0Vから0.8VのときLOと定義され、2.2Vから5VのときHIと定義される[18](正確な電圧はロジックの種類や温度によっても異なる)。TTLの出力の電圧範囲はそれよりも狭く、0Vから0.4VがLO、2.6Vから5VがHIとなっていて、それぞれ0.4Vのノイズのための余裕がある。TTLの電圧レベルの規格化により、回路基板上に様々なメーカーのTTLチップが混在することが当たり前となった。同じ製品でも製造日が違えば異なるメーカーのTTLチップを使うことがあった。製造後何年も経った回路基板の修理に新たに製造された同型のTTLチップを使うことが可能である。電気的特性が広く統一されていたため、相性などを考慮する必要がなく、理想的な論理デバイスとして扱えた。

TTL論理ゲートの出力をCMOSゲートの入力に使用する場合など、トーテムポール出力段の論理レベル "1" の電圧を VCC に高めるために、出力ピンと VCC の間に外部抵抗器をはさんで接続することがある[19]。ただしこのようにするとトーテムポール型の出力を単純な基本的TTL出力に戻していることになり、大きな出力抵抗が生じる。


注釈

  1. ^ a b しきい電圧の異なる双安定要素が2つ並列接続されている場合、電流はしきい値の低い方の要素を通して流れる。

出典

  1. ^ Eren, H., 2003.
  2. ^ a b Buie, J., 1966.
  3. ^ a b The Computer History Museum, 2007.
  4. ^ Bo Lojek, History of semiconductor engineering Springer, 2006 ISBN 3540342575,pages 212-215
  5. ^ Engineering Staff, 1973.
  6. ^ L.W. Turner,(ed), Electronics Engineer's Reference Book, 4th ed. Newnes-Butterworth, London 1976 ISBN 0-4-080-0168-2
  7. ^ Pittler, Powers, and Schnabel 1982, 5
  8. ^ Texas Instruments, 1985
  9. ^ Lancaster, 1975, preface.
  10. ^ Klein, 2008.
  11. ^ Electronic Principles Physics, Models, and Circuits, first edition 1969, Gray and Searle, page 870
  12. ^ Transistor–Transistor Logic (TTL). siliconfareast.com. 2005. Retrieved 17 September 2008.
  13. ^ Millman 1979 pg. 147.
  14. ^ SN7401 datasheet – Texas Instruments
  15. ^ Transistor–Transistor Logic (TTL), 2005, p. 1.
  16. ^ Tala, 2006.
  17. ^ SN7400 datasheet - Texas Instruments
  18. ^ TTL standard logic level, n.d.
  19. ^ TTL-to-CMOS Interfacing Techniques
  20. ^ Paul Horowitz and Winfield Hill, The Art of Electronics 2nd Ed. Cambridge University Press, Cambridge, 1989 ISBN 0-521-37095-7 page 970 ...CMOS devices consume power proportional to ther switching frequency...At their maximum operating frequency they may use more power than equivalent bipolar TTL devices.
  21. ^ Ayers, n.d.
  22. ^ Wobschall, 1987, pp. 209-211.


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