GUITARHYTHM III
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背景
「LOOKING FOR WILD」をテーマに、「スピード」「スリル」「ワイルド」をコンセプトとした作品であり、前々作『GUITARHYTHM』(1988年)や前作『GUITARHYTHM II』(1991年)よりもストレートなロックンロール色が強くなっている。
「ポップアート」もコンセプトとして挙げている。当時の布袋はアンディ・ウォーホルやジャン・コクトー、アルチュール・ランボーに傾倒しており、彼らの作品から受けた影響が多分に反映されている。この時期の日記である書籍『よい夢を、おやすみ。』(1993年)にもこの三者の名前が頻繁に登場する[1]。
本作について布袋は「自分の中には"ワイルド"な部分と"マイルド"な部分がある。前作はマイルドではないけどあれだけ大きな世界を創って、そういうツアーも演ったから、逆にヤンチャに戻れたのもあるかもしれない。もう欲求として湧き上がってきたテーマですね、ワイルドは[2]」「BOØWY解散直後の『GUITARHYTHM』にしろ、COMPLEX解散後のソロ復帰作『GUITARHYTHM II』にしろ、「出したい作品」というよりは「出すべき作品」だった。だからそれぞれ周りの評価というものがどこかで気になっていた部分があったかもしれない。今回はそれを乗り越えて自然に解放された感じになれたと思う。そういったところではこの二枚がなければ出来なかった作品[3]」と語っている。
ボーカリストとしての意識の芽生えも語っている。本人曰く「(本作は)ああいう風に歌わないと曲に負けちゃうから。それに歌詞が死んじゃうから、それならば歌わない方がいいわけで」「言葉というものが大切だと思い始めてきている。(前作で)ツアーやって喉も強くなってるから、パワーという部分ではまったく違う」。
また前作でソロキャリア初の全国ツアーを行なったことで自信が付いた部分、満足のいく反応を得られなかった部分が具体的に見えたこともあり[2][4][5]、ライブで映えることを強く意識した楽曲作りが成されている。
- ^ a b c d e f g h i 布袋寅泰、ハービー山口、森永博志『よい夢を、おやすみ』八曜社、1993年。ISBN 4827001391
- ^ a b 「PATi PATi」 1992年10月号
- ^ ROCKIN′ON JAPAN 1992年9月号
- ^ ライブ・ビデオ『GUITARHYTHM active tour '91-'92』(1992年)内のインタビューより
- ^ 「PATi PATi」 1992年3月号
- ^ ちなみに布袋は8枚目のアルバム『SCORPIO RISING』(2002年)においても同作をタイトルとして引用している。
- ^ BOØWY解散後、布袋のライブを氷室が観覧したのはこの時が初であり、これ以外の記録は残されていない。
- ^ WHAT's IN? 1993, p. 14- 「SELF LINER NOTES '92 〜1992年のBEST50CD全曲解説〜」より
- ^ 布袋寅泰『秘密』幻冬舎 (2006年)
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