黄金の風 概要

黄金の風

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/01 13:26 UTC 版)

概要

『ジョジョの奇妙な冒険』のジャンプ・コミックス単行本47巻 - 63巻に収録。

舞台は2001年のイタリアDIOの息子「ジョルノ・ジョバァーナ」(ジョジョ)が、ギャング団「パッショーネ」で憧れのギャングスターへと登りつめて行く姿と、彼の仲間との逃避行を描いた群像劇。

Part4の2年後であり、冒頭で広瀬康一空条承太郎に仕事を依頼されてイタリアを訪れ、矢やスタンド現象を体験するという形で前シリーズから繋がっている。康一と承太郎は序盤でフェードアウトし、主人公の父親であるDIOも回想シーンや肖像写真で登場するのみで、以後のストーリー展開には影響しない。終盤ではPart3からジャン=ピエール・ポルナレフが再登場する。

この部では「ジョジョ」「JOJO」が「GIOGIO」と表記されている。作者はイタリア語外来語以外に「J」の用法がないためとしている。イタリアで発売されている翻訳版タイトルは「Le bizzarre avventure di JoJo」となり、ジョジョを外来語扱いで「JoJo」にしている。テレビアニメ版では「JOJO」「Golden Wind」である。

ギャング組織内での抗争であり、前半はボスの命令で主役が行動するが中盤にて離反し、数量面での圧倒的劣勢へとひっくり返る。一縷の望みが、ボスの素顔を暴いて暗殺することである。

本Partにて「スタンドパラメータ」(数値化+解説文)が導入された。完結後に出版された画集『JOJO A-GO!GO!』にて、遡ってPart3・4のスタンドにも設定されるようになった。

荒木によると、Parte5は新しいものへの挑戦として集団劇として描いていると言い、後半の展開からジョルノ個人ではなくチームが主人公にならざるを得なかったと語っている[1]。また本部はそれまでと異なり「哀しみ」をテーマに描いているため、明らかに作風が変わったという。印象に残っている場面としてブチャラティがボスを裏切ることを仲間たちに告げるシーン、アバッキオが死ぬシーン、エピローグの「眠れる奴隷」を挙げており、「眠れる奴隷」は『ジョジョ』の25年間の歴史の中でもシリーズの神髄が表れている印象的なエピソードと語っている[2]


注釈

  1. ^ 原作および『黄金の旋風』は北米にて翻訳されていないため。
  2. ^ 過去に「4」にまつわる不幸があり、チンピラを射殺した際も「4発」発砲し、冒険の最中にも「4」がらみで悪いことが起こった。『オールスターバトル』などでもこの「4」のジンクスが特殊仕様として反映されている。
  3. ^ 終盤の戦いで愛用のリボルバーが壊れた時には、警察官から奪ったベレッタ 92自動拳銃を使用した。
  4. ^ 「〜匹」と呼ばれるとペット扱いされたと感じて機嫌を損ねる他、食事や昼寝をさせないと働いてくれないとミスタは語っている。
  5. ^ 「カーラ・ディ・ヴォルペ(Cala di Volpe)」という実在の観光地。
  6. ^ アニメ版で追加されたホルマジオによる暗殺の際に、ギアッチョが報酬がいくらかを聞いた際にメローネが2,000万リラと答えている。なお2001年時点での為替レート(1リラ=0.05 - 0.06円程度)で2,000万リラを日本円に換算すると、100万 - 120万円程度にしかならない。
  7. ^ ただし、鏡の外で周囲の物体に何らかの変化があると、「鏡の中の世界」でも連動して変化が起こる。また、イルーゾォ以外の人物が衣服を着たまま動けているのは、「生命エネルギーのイメージ」として本人の一部と見做されているため。
  8. ^ 単行本にあるスタンド紹介の本体名には「プロシュート兄貴」と書かれている
  9. ^ 『JOJO A-GO!GO!』ではC[12]、『JOJOVELLER』[13]およびアニメ版ではBに設定されている。
  10. ^ ゲーム版などでは金髪。
  11. ^ 本来のイタリア語では会話の際にこの言い方はしない(話し言葉としては不自然な表現)ので、本作がイタリア語に訳された際は、自然な言葉に差し替えられている。
  12. ^ いきなり女性に近づいて生年月日・血液型・健康状態・性的嗜好を偏執的に調べようとする、近づいた女性から平手打ちを食らっても悦び手を舐めるなど。
  13. ^ 原作では無名であったが、テレビアニメ版ではエンディングクレジットにて名前が付けられた。
  14. ^ テレビアニメ版ではシルエットで隠れた2人組の内の一人によって輪切りにされている。
  15. ^ a b 『JOJO A-GO!GO! STANDS』120ページにて、スタンド使いだと断定はできないが、他状況を見ると彼らもおそらくスタンド使いと推測できる、と分析されている。
  16. ^ 「B・I・G」は当初「ビー・アイ・ジー」や「ビッグ」と混同にルビが振らされていたが、文庫版では「ビッグ」に統一されている。
  17. ^ 登場話の後期では名前が「チョコラート」と表記されていた。文庫版以降は「チョコラータ」に統一されている。
  18. ^ 無差別に他者を殺傷する能力を見たジョルノは「悪の限界のない男」と評し、ボスにすら「最低のゲス」、「本来は生かしておきたくはなかった」といわれた。
  19. ^ 一方で、ボスも用が済めばセッコも一緒に始末するつもりでいた。
  20. ^ ナランチャがルカのことを嫌いだと言った際、誰もそれを否定せず、ブチャラティもそのことを肯定しつつも同じパッショーネの組員なので、そのようなことを言わないようにとたしなめている。
  21. ^ ゲーム『アイズオブヘブン』では「あの男」と呼び、父親とは思っていない模様だが、タッグ戦でジョルノとチームを組んだ場合の特殊セリフが発生する。
  22. ^ テレビアニメ版もナランチャのセリフを含め変更後のものが使用されている。

出典

  1. ^ 『JOJO A-GO!GO! DISC.3 ARAKI-HIROHIKO』p51
  2. ^ SPURムック『JOJOmenon』より。
  3. ^ 「男たちの奇妙な愛情!?『ジョジョの奇妙な冒険の平行世界』」『ユリイカ 11月臨時増刊号 総特集☆荒木飛呂彦 -- 鋼鉄の魂は走りつづける』青土社、2007年11月25日、32頁。ISBN 978-4-7917-0170-4 
  4. ^ a b c d e f 「ジョジョ」第5部キャストに榎木淳弥、山下大輝、鳥海浩輔、諏訪部順一”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2018年7月5日). 2018年7月5日閲覧。
  5. ^ a b 『Comnavi』Vol.3「Interview&Graph」
  6. ^ a b c d e f g h コラム「気分はJOJO 最終回SPECIAL!!〜5部Q&A〜」(『週刊少年ジャンプ』、1998年9号)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』の荒木飛呂彦によるコメントより。
  8. ^ アミュレートのプロフィールページより。
  9. ^ アニメディア』2018年12月号、学研プラス、2018年11月、31頁。
  10. ^ 「スタンドギネス」『JOJO A-GO!GO! DISC.2 STANDS』50頁。
  11. ^ a b c d e CHARACTER|TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』公式サイト”. 2020年5月30日閲覧。
  12. ^ 『JOJO A-GO!GO! DISC.2 STANDS』98頁。
  13. ^ 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』172頁。
  14. ^ 過去の作品”. 木内秀信の公式サイト. 2012年9月30日閲覧。
  15. ^ 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』175頁。
  16. ^ 『週刊少年ジャンプ』1997年36号
  17. ^ 石本峻一 (2019年5月24日). “今回、31話入る前に…”. @shunishimoto. 2019年5月28日閲覧。
  18. ^ アニメ『ジョジョ』の「無駄無駄―」話題 “無駄”だけの該当シーンは原画スタッフ別動員&小野賢章30秒連呼”. ORICON NEWS. 2019年5月28日閲覧。
  19. ^ 『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風のすべて』集英社、2002年9月4日、292頁。ISBN 978-4087791884 
  20. ^ 公開情報はJC48・49巻、ドッピオについては58巻。
  21. ^ 文庫本39巻より。





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