非ホジキンリンパ腫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 19:35 UTC 版)
検査所見
末梢血は正常または白血化している。
診断
診断は、患部リンパ節を一部摘出する組織生検の判定検査結果により行われる。最初に穿刺細胞診(針で少量だけ採取)を行うこともあるが充分なサンプルを採れず診断に至れないケースも多く、あくまで予備的である。
病期
診断が確定すると、レントゲン撮影、コンピュータ断層撮影 (CT)、PET、骨シンチ、患部および骨髄、髄液などの生検により病期判定および病態の詳細把握を行う。病期分類として国際的統一基準はまだないが、日本ではアメリカで開発されたAnn Arbor分類を用いることが多いと思われる。ホジキン病ほど病期(ステージ)が治療レジメンに影響しない症例もあるが、バーキットリンパ腫[注釈 1]など進行の速い全身転移性の症例では、レジメン策定から寛解率、寛解後生存率に至るまでひろく影響し、高ステージ判定での予後は不良となりやすい。
治療
- リンパ腫細胞の由来・Stage分類に応じて多剤併用化学療法による治療が行われる。成人と小児では予後も大きく異なり、治療法が異なる。予後が悪いと予測されるものに関しては移植が行われることもある。放射線療法が併用されることもある。
- 成人のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対しては、シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロンを組み合わせるCHOP療法が行われる。新しい薬であるリツキシマブ(抗CD20マウス=ヒト・キメラ・モノクローナル抗体)を併用することもある。一方イブリツモマブ チウキセタン(イブリツモマブ-イットリウム90)をCHOP療法6クール後に追加すると、奏効率100%、完全寛解が95%であることが、第II相臨床試験で明らかになった[3][要出典]。
- 胃のMALTリンパ腫にはヘリコバクター・ピロリ除菌療法が奏効するものもあるという報告がある。
予後
IPI(International Prognostic Index: 国際予後因子)は予後予測因子として有用である。
注釈
- ^ かつては白血病に分類されていた。
出典
- ^ “日本血液学会 造血器腫瘍ガイドライン 2018 リンパ腫総論” (2020年9月30日). 2020年9月30日閲覧。
- ^ 悪性リンパ腫 国立がんセンター
- ^ P. L. Zinzani1, M. Tani, S. Fanti, V. Stefoni, G. Musuraca, P. Castellucci, E. Marchi, M. Farsad, M. Fina, C. Pellegrini, L. Alinari, E. Derenzini, A. de Vivo, F. Bacci, S. Pileri and M. Baccarani (2008). “A phase II trial of CHOP chemotherapy followed by yttrium 90 ibritumomab tiuxetan (Zevalin) for previously untreated elderly diffuse large B-cell lymphoma patients”. Ann. Oncol. 19 (4): 769-773. doi:10.1093/annonc/mdm560 .
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