露出 (写真)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/29 10:16 UTC 版)
露出補正
このような場合に対応するため、カメラによっては露出補正機能がついているものがある。自動露出でオーバーになる場合はマイナスに、アンダーになる場合はプラスに露出補正することにより、適正露出が得られる。右下の写真は上と同じ雪山に+2.0EVの露出補正をかけて撮影しなおしたものである。上の写真より自然な露出となっている。
また、白とび・黒つぶれを抑えたり、意図的にハイキー、ローキーの写真を撮ろうとする場合も、露出補正機能が役立つ。
機種によっては1EV刻み、1/2EV刻み、あるいは1/3EV刻みなどの細かい露出補正できるものがある。シャッター優先AEの場合は絞りが、絞り優先AEの場合はシャッター速度が変化するのが通例である。TAvモードではISO感度が変化する。
危険分散のため、何枚か同じ被写体を露出を変化させて撮る人もいる。これを段階露出、ブラケティング、また通称「バラシ撮り」ともいう。
また、カメラによっては自動的に段階露出の撮影を行うオートブラケット機構を持つ機種もある。撮影されたものの中から、自分の表現意図にもっとも合致する写真を選べばよいのである。
実際の被写体は色々な色のものが混在しており、フィルムカメラ、特にリバーサルの場合、露出補正には高度な経験と技術を要したが、デジタルカメラでは、撮った直後に液晶画面で確認したり、あるいは、ライブビュー機能で事前に確かめたりすることができるようになったので、露出補正は格段と容易になった。
符号化露光
時間変数tに沿った符号化は符号化露光と呼ばれる[5]。この手法を用いるとぼけた画像から画像処理により鮮明な画像を得られる[6][7][8]。
- ^ 現在の絞りの刻みは1EVおきとは限らない。
- ^ 小林義明『適正露出の考え方』「NCフォトシリーズ6露出を極める」日本カメラ社 35ページ
- ^ 鈴木一雄『露出の極意 「スポット測光術」のすべて』日本写真企画。
- ^ 谷口泉『デジタル撮影の適正露出と色彩調整』日本カメラ社 30ページ。
- ^ 日浦慎作、「2-1. コンピュテーショナルフォトグラフィ 演算を前提とした画像の獲得」 『映像情報メディア学会誌』 63巻 3号 2009年 p.274-278, doi:10.3169/itej.63.274
- ^ Raskar, Ramesh, Amit Agrawal, and Jack Tumblin. "Coded exposure photography: motion deblurring using fluttered shutter." ACM Transactions on Graphics (TOG). Vol.25. No.3. ACM, 2006.
- ^ 西一樹、「3 符号化露光法と超解像」 『映像情報メディア学会誌』 67巻 8号 2013年 p.655-660, doi:10.3169/itej.67.655
- ^ Ramesh Raskar. 「Less is More Coded Computational Photography(符号化された写真からシーン情報を復元する計算機写真術)」 『映像情報メディア学会誌』 62巻 12号 2008年 p.1952-1958, doi:10.3169/itej.62.1952
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