ここで 信号 は 、フィルタ は 以外で0、またである。
重畳加算法の基本アイデアは、長い信号 を区間長で区切り、複数の短い断片 と フィルタ に関する複数の畳み込みに分割して、訳注: 適切なブロック長のFFTの積として効率的に計算することにある。
離散畳み込みは、各区間の畳み込みの総和で表せる:
ここで各区間の畳み込み は 領域 [1, L+M-1] 以外で 0 であり、任意の に関し、領域 [1, N] における と の 点巡回畳み込みと等価である。
重畳加算法のアドバンテージは、この巡回畳み込みが畳み込み定理により、次のような FFTの積の逆FFT として効率的に計算できる事にある:
(式1)
ここで とは(ブロック長の)高速フーリエ変換と逆高速フーリエ変換である。
FFTアルゴリズムによっては、(巡回畳み込み計算のために)FFTブロック長を調整する事が理に適っている。例えばCooley-Tukey型FFTアルゴリズム (radix-2アルゴリズム) を使う場合、2の冪乗のブロック長を選ぶと有利である: