足立原貫
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実践の足跡
人と土の大学[1] 1970-2010
“人”と“土”の回生の願い
1970(昭和45年)年に農業開発技術者協会小原事業地を開放し開学。平素相会うこともないさまざまな人々が土を仲立ちとして出会い、土にかかわり合う仕事にふれて、自然や社会や人生を考え、学び合うという機会と場を提供することをねらいとした3泊4日の講座である。以降毎夏、開催された。
開学の言葉 1970年6月1日(足立原 貫)[2]
大学は学ぶものの集まりであるはずです。
「学ぶ」というのは、自ら考え自ら行ってみることです。
「教えられる」や「育てられる」というのとは、まるで異なる姿勢です。
いま、世の中の表通りにはもとより、一隈の大学にすら、「学ぶ」場と機会が消えています。
私たちは、「学ぶ」ことを求める多くの仲間たちに呼びかけて「学び合う」機会をつくろうと思い立ちました。
自分の眼で見、自分の耳で聴き、自分の頭で考え、自分の手と足で行ってみる“場”、それこそ“大学”であると確認し、そこに今失われている大きな二つのもの“人”と“土”の回生の願いを込めて、私たちは“人と土の大学”を開学しようとしています。
この大学は、誰かにとって「都合のよい」者を養成したり、誰かのために「役立てられる」ような教育が行われるところではありません。だから、学歴や資格、証書や免状などという虚飾とは無縁です。
時代の流れにまどわされず、静かな山の林間で、人間や社会や科学や芸術について考え語り合い、野菜類を自ら得るための作業を行って自然や生活を考える、という夏の幾日かを共に過ごそうと望まれるさまざまな人々の参加を期待しています。
草刈り十字軍 1974-2016
教育の城は山に築け -きみ、青春の一夏 山へ入って草を刈ろう-
1974年富山県大山町小原(現富山市)などが造林地に除草剤を空中散布する計画を立てたことを知り「薬剤が水を汚染し環境破壊を招く」と反対。対案として、人手による下草刈りをしようと、夏休みの学生を中心に結成、初年度は延べ2,360人が作業、187haを刈り上げた。以来、毎年8月に実施する10日間の活動は、これまでに全国から4200人以上が参加した。1997年山田洋次監督、加藤剛主演による映画化がなされた。除草剤の空中散布反対から始まり、43年にわたり有志で草刈りを続けてきた富山県の「草刈り十字軍」は参加者の減少などを理由に2016年8月で活動を終えた。現在は、有志たちによる活動で引き継がれている。
山崎賞 1973-
哲学者・故山崎正一教授の芳志を生かし創設された学術奨励賞である。昭和58年の創設10周年記念講演会を機に授賞対象を学術分野全般に広げ「哲学奨励山崎賞[3]」から「山崎賞」と改めた。現在終了した。
- ^ 『一つの社会の死から』北日本新聞社、1975年8月11日、42-44頁。
- ^ “NPO農業開発技術者協会・農道館 活動内容”. www17.plala.or.jp. 2021年4月12日閲覧。
- ^ 『一つの社会の死から』北日本新聞社、1975年8月11日、44頁。
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