英国国立医療技術評価機構 歴史

英国国立医療技術評価機構

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 23:12 UTC 版)

歴史

  • 1999年 - 国立臨床評価機構(National Institute for Clinical Excellence)として設立。
  • 2005年4月 - 健康推進機構(Health Development Agency)を併合し、National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)に改組[4][8][9]
  • 2012年 - Health and Social Care Act 2012法制定によりNational Institute for Health and Care Excellence (NICE)に改組。NICEはソーシャルワークに対してもEBM手法によるガイドライン作成および品質基準制定の責務を負う[4]。関連機関としてNICEソーシャルケア共同センター(NICE Collaborating Centre for Social Care、NCCSC)が立ち上げられる。

臨床ガイドライン

様々な疾患について、NICEは最も適切な治療手順の評価を行なっている。様々な治療法に対して「医学的効果(患者にとっての最適選択)」と「経済的コスト」の両面から評価を下している。

NICEはいくつもの国立共同研究センター(The National Collaborating Centre)、王立医学学院、専門機関、患者と介護者の団体らと、共同でガイドラインを策定している。これらのセンターには、国立ガン共同センター(National Collaborating Centre for Cancer)、 国立急性期・慢性期臨床ガイドラインセンター(National Clinical Guidelines Centre for Acute and Chronic Conditions)、 国立女性・児童保健共同センター(National Collaborating Centre for Women and Children´s Health)、国立メンタルヘルス共同センター(National Collaborating Centre for Mental Health)などがある[10]

国立共同研究センターは、臨床ガイドライン作成を任とするガイドライン作成グループ(Guideline Development Group)を立ち上げている。このグループは医療専門家・患者及び介護の代表者・技術専門家で構成される。ガイドライン草稿の作成前に、彼らによってガイドライン項目のエビデンス(競合製品との臨床評価など)が評価される。

その後ガイドライン草稿について、ステークホルダー団体によって2回の意見聴取が行われる。2回の意見聴取期間を経て、独立したガイドラインレビューパネルによってガイドラインがレビューされ、ステークホルダーによる意見を聴取し、これらの意見が反映されていることを確認する。

それを経て、グループは勧告をまとめ上げ、国立共同研究センターとして最終ガイドラインを発行する。そしてNICEに送付され公式なガイドラインとなり、NHSのガイダンスとして適用される。

またクリニカルパスの開発にも着手し、NICE Pathwayとしてガイダンスされている。

脚注


  1. ^ "The National Institute for Clinical Excellence (Establishment and Constitution) Order 1999" (PDF) (Press release). Office of Public Sector Information. 2 February 1999. 2009年9月18日閲覧
  2. ^ About NICE
  3. ^ a b c 「英国国立保健医療研究所(NICE)における社会的価値判断-NICEガイダンス作成のための諸原則 (第二版)-」『保健医療科学』第62巻第6号、国立保健医療科学院、2013年12月、667-678頁、NAID 110009808441 
  4. ^ a b c Who we are”. 英国国立医療技術評価機構. 2015年7月1日閲覧。
  5. ^ 森臨太郎「連載英国医療事情 第15回 英国医療事情 ナイス!なガイドライン」『日経メディカル』、日経BP、2006年3月18日。 
  6. ^ Schlander, Michael (2007). Health Technology Assessments by the National Institute for Health and Clinical Excellence. New York: Springer Science+Business Media. pp. 245. ISBN 978-0-387-71995-5. http://www.springer.com/public+health/book/978-0-387-71995-5 2008年11月13日閲覧。 
  7. ^ Cheng, Tsung-Mei (2009年9月15日). “Nice approach”. Financial Times. http://www.ft.com/cms/s/0/5be67610-9ce2-11de-ab58-00144feabdc0,s01=1.html?nclick_check=1 2009年9月18日閲覧。 
  8. ^ "The National Institute for Clinical Excellence (Establishment and Constitution) Amendment Order 2005" (Press release). Office of Public Sector Information. 7 March 2005. 2009年9月18日閲覧
  9. ^ "The Special Health Authorities Abolition Order 2005" (Press release). Office of Public Sector Information. 7 March 2005. 2009年9月18日閲覧
  10. ^ NICE website - Collaborating Centres


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