確認代願 問題のない代願

確認代願

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 08:20 UTC 版)

問題のない代願

こうして問題視されている代願行為であるが、これと似ているものの、実際には問題のない場合もあるので注意が必要である。

まず、実際に資格も能力もある者が設計を行い、確認申請書の設計者欄にはその者の名前を記入した上で、別の建築士が代理者となって手続きを行うような場合である。これは例えば、事業所から遠く離れた場所で建築するような場合や、ハウスメーカーが広い地域に多くの注文を受けているような場合に、しばしば見られる。確認申請の手続きを設計者自身が行うよりも、現地に近い設計事務所に手続きを委託したほうが都合がよい場合もあるからである。申請書の代理者欄には、手続きの委任を受けた地元の設計事務所の担当者の名前が記載される。

こうして手続きのみを委託する理由は様々である。単に役所に何度も足を運ぶ労力の問題から、地元の役所の流儀を熟知している(特定行政庁ごとに提出書類の書き方が微妙に違うため、その流儀を知らない遠隔地の設計者が手続きを行うと苦労することが多い)、時には担当者と顔見知りで手続きが進めやすい、など。

これは法的にも認められた行為であり、また、設計内容について実際に設計を行った者が責任を負うため、現実にもほとんど問題のない行為である。

なお理論上、手続きのみであれば行政書士が行うこともできるが、現実には建築関連法規を熟知した建築士のほうが手続きをスムーズに進められることが多いため、行政書士が代理者となるケースは極めて希である。

脚注



  1. ^ 設計等の業務に関する報告書の作成及び報告の手引き [1] (平成25年1月 一般社団法人北海道建築士事務所協会)、[2] (令和3年1月改定 千葉県 県土整備部 都市整備局 建築指導課)など
  2. ^ a b ニューヨーク事務所移転で学ぶ建築行政と商業不動産
  3. ^ 平成15年11月14日 最高裁判決(判例時報1873号186頁)


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