狼王ロボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 15:18 UTC 版)
備考
- 原題にもあるロボのいた地名Currumpawのカナ表記は「カランポー」が多いが、童心社版の訳・解説をしている今泉吉晴によると地名について「Corrumpa」という書き込みがシートン本人の手によってあるので「クルンパ」の方が近い[3]。
- 「ロボ」という名はスペイン語で狼そのものを表す「lobo」が語源である。なお「ブランカ(Blanca)」はスペイン語で「白い(blanco)」の女性形であり、雌の白狼への命名として形容詞が(女性名詞として)固有名詞化されたものである。
- 本作の発表以降動物に「ロボ」と「ブランカ」という名前を付ける事が流行した[4]、シートン本人が知っているだけでも、1904年時点にロンドン動物園にいるつがいの狼が「ロボ」「ブランカ」であったという[5]。
- シートン本人の認識では、アメリカ大陸の狼はユーラシアの物と同属別種(Canis mexicanus、ユーラシア産のオオカミはCanis lupus)としている[6]。
この「Canis mexicanus」というのは「メキシコのオオカミ」という意味だが、基亜種がメキシコ南部産なだけで、前述の考えではメキシコ南部から北極圏までのすべてのアメリカ大陸の狼がCanis mexicanusである。なお亜種まで分ける場合は、ロボの居た地域で捕らえたオオカミ達をシートンはネブラスカオオカミ(Canis mexicanus nubilus)だとしている[7]。 - ロボの体格は作中で明記されており、肩までの高さ90cm、体重68kg[8]。その毛皮はニューメキシコ州にあるシートン記念館に保存されており灰色である。ブランカの毛皮は真っ白であり、これは灰色の個体が多く、個体によって真っ白、真っ黒の個体がいるネブラスカオオカミの特徴と一致する。
- シートンは『The wild animal play for children』にて本作のロボとブランカを、動物に仮装した子供の演ずる役として登場させている。
- ^ シートン(1997)p.207
- ^ シートン(1997)p.178
- ^ 『オオカミ王 ロボ』童心社、今泉吉晴 訳・解説、2010年、ISBN 978-4-494-00990-9。「解説」
- ^ 翻訳今泉吉晴 出版福音館書店 『カランポーのオオカミ王 ロボ』89ページ
- ^ シートン(1997)p.119
- ^ 現在ではアメリカ産もユーラシア産も同種で、分ける場合は唯一テキサス周辺に生息するアカオオカミだけ別種とするのが定説。
- ^ シートン(1997)p.78-79・85・225「訳注1・2・3
- ^ シートンが同じ所で捕まえた別のネブラスカオオカミの雄達のうち「大きい」としているのが「肩高686㎜、体重46.3㎏」で、他に肩高は記されてないものが「体重40.8㎏」と「体重35.4㎏」だったので、これらに比べるとロボはかなり大きいがあくまで「この地域基準で」の話で、シートンが知る限りでもノースダコタ州でさらに大きい体重76.2㎏の個体が1902年に捕獲された話がある。
(シートン(1997)p.85・209-211)
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