列指向データベース管理システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/30 14:44 UTC 版)
NoSQLのカラム指向データモデルとの差異
大規模データを対象としたNoSQL型DBMSの中には「カラム指向型」と呼ばれるものがある。しかしここでいうカラム指向(列指向)とは、DBMSの利用者から見えるデータモデルを表しており、DBMS内部のデータ格納方式を表しているわけではない。これらは、本項で扱う列指向DBMSとは利点が全く異なるので注意が必要だ。
NoSQLのカラム指向データモデルは、非定型の大規模データを格納することを主な目的としており、行ごとに任意の名前のカラム(列)を無数に(時には1行に数百万カラム)格納できる。それぞれのカラムは、行ごとにカラム名の辞書順によってソートされ、1回のクエリで、指定した1行に属する全てのカラムを取り出したり、指定した1行に属する指定した範囲のカラムだけを取り出したりできる。少数の行に対する多くの列の取得に適しており、大量の行に対する少数の列の集約処理には適さない。このようなDBMSには、Apache HBase、Apache Cassandraなどがある。
一方、NoSQLではないが、大規模データを対象にSQL形式の分散クエリを実現するソフトウェアでは、列指向DBMSと同様のデータ格納方式を採用し、同じ利点を持つ。[6] このようなソフトウェアは分散SQLクエリエンジンと呼ばれ、Google Dremel/BigQuery、Amazon Redshift、 Apache Hadoop上で動作するCloudera Impalaなどがある。
脚注
- ^ C-Store: A column-oriented DBMS, Stonebraker et al., Proceedings of the 31st VLDB Conference, Trondheim, Norway, 2005
- ^ Brighthouse: an analytic data warehouse for ad-hoc queries, Slezak et al., Proceedings of the 34th VLDB Conference, Auckland, New Zealand, 2008
- ^ “SAPが語るインメモリ--HANAとOracleの違いとは” (日本語). ZDNet Japan (2015年6月15日). 2019年10月10日閲覧。
- ^ “【Oracle Database 12c 】オラクルのインメモリを3つのポイントから理解する”. www.oracle.com. 2019年10月10日閲覧。
- ^ “インメモリデータベース、カラム型データベースは使い物になるのか? インメモリとカラム型データベースの可能性を調べる(その1)” (日本語). www.publickey1.jp. 2019年10月10日閲覧。
- ^ Dremel: Interactive Analysis of Web-Scale Datasets, Melnik, et al., Proceedings of the 36th Int'l Conf on Very Large Data Bases, 2010, pp. 330-339
- 1 列指向データベース管理システムとは
- 2 列指向データベース管理システムの概要
- 3 NoSQLのカラム指向データモデルとの差異
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